2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『三国志の旅』 村山孚 徳間文庫

これはプロレタリア紀行文学です。ギャグが爆裂してるので凄い。

『人間三国志』 林田慎之助

名文と評価される林田であるが、学者先生にしてはマシというレベルである。小説を読みなれている私にはむしろ悪文に思える。「○○については既に××の章で触れたので詳細は省く。」という文がしつこく出てくるのでむかつく。

『三国志』 横山光輝 潮出版社

今は亡き月刊朝日が三国志の特集を組んだ時、日本語で読める書籍は200種類以上あると詳細なリストを載せていたが、その小説や研究書や漫画のすべて200種類の中で、ベストを選べば私にとってはやっぱり横山先生の三国志がベスト1である。吉川英治版が…

『SWEET三国志』 片山まさゆき

すべての画像作品の中で、楊脩徳祖が一番かっこよく描かれている素晴らしい作品。ギャグで笑える楽しい作品ですが、最終回は泣けます。孔明と曹操の出会いは柴田錬三郎を盗作していてメチャンコ孔明がカッコイイですが、それ以後は孔明といえどもボケまくり…

『蒼天航路』 王欣太 講談社 コミックモーニングコミックス

すべての人物が魅力的だという奇跡のような三国志である。悪役としてメジャーな董卓がかっこいいのは、予測ついても、韓馥さえかっこいいんだから、作者の力量には感服してしまう。(洒落ではない)外見を美男子に描けないキャラでも、生きざまや死にざまが…

『龍狼伝』 山原義人 講談社 月刊少年マガジンコミックス

現代日本の中学生カップルが三国志時代にタイムスリップ!と聞くと眉村卓のジュブナイルSFみたいだが、まともで思想的にも深い三国志ものである。司馬懿仲達が曹操を利用してる真の悪役であり、美青年の頃から登場してるので、仲達ファンは必読である(北…

『爆風三国志・我王の乱』 山口正人 日本文芸社 ゴラクコミックス

漫画ゴラク連載と聞くといかにも暴力シーンのみを追求してるイメージがあるが、史実に基づいた新らしい描写もあるし、なかなか読ませます。蜀が主人公側みたいだが、魏や呉の人物もかっこいいです。孫堅文台が赤ん坊の孫権をおんぶしたまま戦うのは、呉ファ…

『天地を喰らう』 本宮ひろ志 集英社

本宮ひろ志は基本的に暴力肯定の右翼漫画家だから嫌いなのだが、これは実は好きです。宗教の神や仏より三国志の登場人間の方が、精神の器が大きい、肝っ玉のでかい奴等が多いと常々私は思っていたが、この作品では天界も関わって来て、神や悪魔や鬼に劉備が…

『三国志遊戯STOP劉備くん!』 白井恵理子 角川書店 アスカコミックス

女の子の為の男同志の愛の世界がテーマの「小説JUNE」に連載されてた作品。しかし、やおいネタはない笑える4コマギャグです。曹操がパタリロ入っているのはなんともいえずおかしい。ギャグ4コマとしては、みずしな孝之系の雰囲気もある。

『悪童日記』 アゴタ・クリストフ ハヤカワepi文庫

文学扱いされるが、鬱陶しい純文学ではなくて、エンタメノワールの傑作だよね!ホモとの絡みをもっと書いてほしかった。主人公の少年の尻の穴は無事だったのだろうか?無駄な情報が多すぎる小説なんて読みたくないが、これの続きは読まずに止める事は不可能…

『昔日』 ロバート・B・パーカー 早川

スペンサーシリーズ35作目。ありきたりな浮気調査の筈だった。だが、依頼人はFBI捜査官、妻の浮気相手はテロリスト組織の首魁!マチズモ戦隊スペンサー7を招集するほどに事件はエスカレート!!

2011年9月6日〜『夢見る世紀末 ルドンとその周辺』

『夢見る世紀末 ルドンとその周辺』 浜松市美術館 2011年9月6日〜10月10日 美術館「えき」KYOTO 2011年10月15日〜11月13日 三菱一号館美術館 2012年1月17日〜3月4日5/29の日曜にブログ更新してなかったのに、いつもより100も多くカウンタが回っており、調べ…

『南の子供が夜いくところ』 恒川光太郎 角川書店

本書のベストセリフ「親は子供を愛する。本でも映画でも、ごくごくそれが世の中の常識のようになっているが、実際にはどうなんだろうね?みんながみんなそんなわけないだろうと俺は思うんだが」 ・南の子供が夜いくところ ・紫焔樹の島 ・十字路のピンクの廟…

『タイムトラベラー』『時をかける少女』『シナリオ・時をかける少女』 筒井康隆原作及びノベェライズ

「時をかける少女」のドラマはNHKの少年ドラマシリーズ「タイムトラベラー」が一番の出来だと思う。 ロリコン監督大林なんとかが映画化した映画版は、SFファンというよりロリコン向けの唾棄すべき作品である。普通の真面目なジュブナイルSF小説の「時…

『ベトナム観光公社』 筒井康隆

SFは価値の相対化をはかる文学。 自己矛盾さえ無ければどんな突飛な表現でも許される文学という建前があった。が、日本SF界にはやはりタブーがあったのだ。本書はベカンコーと蔑称され、「いくらSFでも書いてはいけないことがあるのではないか?」と唾…

『七瀬ふたたび』 筒井 康隆

三回TVドラマ化されているが、 水野真紀主演のが一番好きです。「邪悪な目」では筒井先生自身が透視能力者として登場しまっせ!予知能力者の袴田吉彦も良かった。多岐川裕美版はギリギリ許容範囲だが、ショートカットの新人が七瀬を演じた作品は問題外。火…

『お伽草紙』 太宰 治

・瘤取り ・浦島さん ・カチカチ山 ・舌切雀 本書のベストセリフ「処女の怒りは辛辣である。殊にも醜悪な魯鈍なものに対しては容赦が無い。」引き続いて引用が長くなるが、名文なので読んでくれたまえw

『マン・プラス』 フレデリック・ポール 矢野徹 訳 早川文庫

安価の旧式量産タイプだったポールが、高価な最新型プロトタイプに変貌し、νポールと呼ばれるようになった傑作。サイボーグSFの最高傑作である。

『ゲイトウエイ』 フレデリック・ポール 矢野 徹 訳 ハヤカワ

ゲイトウエイとは、太陽系に残されていた宇宙人の遺産。水星軌道より内側を巡っていた宇宙ステーション。そこには千隻もの恒星間宇宙船があったのだ!自動航法プログラムがあり、5つの座標をセットすれば、勝手にそこへ飛んでいきまた戻ってくるのだ。太陽…

『ゲイトウエイ2』 フレデリック・ポール 矢野 徹 訳 ハヤカワ

あれから十年後、人口は八十億を越し、食糧危機は深刻だった。だが、ゲイトウエイを造った宇宙人は食料プラントも設置しておいた筈である。それを発見できれば危機は去る。年老いたロビネットには既に宇宙船に乗る体力はない。が、人を雇って宇宙へ派遣する…

『ゲイトウエイ3』『ゲイトウエイ4』 フレデリック・ポール 矢野 徹 訳 ハヤカワ

「本の雑誌」で鏡明がペリーローダン化してきたと悪口言っていたが、ローダンならまだマシである。死んでも死なないキャラでどんどん続き、テーマが愛だったとなれば、これは、宇宙戦艦ヤマト化してきたと言うべきであろう。

『最終定理』 アーサー・C・クラーク  フレデリック・ポール 早川書房海外SFノヴェルズ

本書のベストセリフ「妊娠、出産は不条理なきまりであることはいうまでもない。この法規には、赤ん坊がほしいと望む女性は、知的機能よりも、母たる機能を優先すべし、と書いてある。これはやはり不公平だろう。しかし文句をいって、どうなる?ゲームのルー…

日曜美術館『夢のルドン 傑作10選!! 魂への祈り』

2011/5/29放送 ゲスト 田中泯(舞踊家) 山本敦子(岐阜県美術館学芸部長) VTRゲスト 松坂慶子(女優) 水木しげる(漫画家)

『三国志』 園田光慶 講談社漫画文庫

劉備玄徳が一番かっこいい三国志。剣法家としても張飛に引けをとらない。戦場の描写が秀逸である。死体や骸骨フェチの人は必見。さすがは暁戦闘隊の作者である(軟弱サンデーにも戦記漫画が連載されていた時代があったのだよ)

『マンガ三国志』 守屋洋 とみ新蔵 三笠書房

三国志の解説本の量だけなら多分日本一の守屋洋原作だが、解説本のどれを読んでも同じ内容の人だから、この漫画もあたりさわりのない平凡な作品である。楊脩徳祖は登場しませんが、コマの外に無数の補足文が書かれている構成で、欄外の文では楊脩の鶏肋事件…

『三国志』『三国志第二部諸葛孔明』 李志清 スコラ社

池上遼一もどき絵の香港漫画家の作品。蜀中心の為、魏や呉の人物は名前さえ紹介されないパターンが多い。内容はよくある蜀ものだし、絵がズバ抜けて凄いというわけでもないので、読んでも何も残らない平凡な作品。楊脩の顔はまあまあカッコいいんだけどね。

NHK 人形劇三国志

田中芳樹が歴史の捏造だと怒り狂っていたトンデモない三国志である。OPクレジットに立間祥介訳「三国志演義」よりと出ますが、大嘘である。演義より蜀贔屓が酷い滅茶苦茶な話である。

『アジアの教科書に書かれた日本の戦争』 越田稜 梨の木舎

日本の歴史教科書には書かれていないが、 アジアの教科書にはこんな風に日本軍の悪行が書かれています、と紹介した左翼向けの本。 だと誰でも予測すると思うが、リアルな描写は少なくて、 悪の枢軸国としての大日本帝国の知識を求める人には、やや期待外れだ…

『中国の教科書の中の日本と日本人』 関根謙 一光社

越田稜編集の「アジアの教科書に書かれた日本の戦争」と被るネタがあるが、 中国は統一教科書なので、被っている中国の中学生の歴史教科書ネタは、 全く同じ本を元にしている筈であるが、数字が違う箇所があるのは、 翻訳の違いでは説明出来ませんね(藁。

『日本は中国になにをしたの』 映画「侵略」上映委員会 明石書店

絵本みたいな製本だが、こんなもんで情操教育される子供はえらい迷惑だ。(藁 日本軍が虐殺した中国人の死体の写真もバンバン載っているが、イラストはへたすぎて笑える。 昭和天皇もヘタクソなイラストで登場し、中国人虐殺を褒め称える言葉を述べているが、…