文学

『方法への挑戦―科学的創造と知のアナーキズム』 ポール・K・ファイヤアーベント 新曜社

究極の哲学「なんでもかまわない」が目差すのは、 否定不可能とされる絶対的真理「科学」、「科学的合理性」への 挑戦! 方法論、認識論、実在論、哲学の全てを駆使して、 著者は「科学」の権威の引き摺り下ろしに挑む! 「科学者」も「宗教家」も「売春婦」…

『競売ナンバー49の叫び』 トマス・ピンチョン ちくま文庫

本書のベストセリフ 「ぼくの大きな過ちは愛というものだった。きょうこの日からぼくは愛に近づかないことを誓う。異性愛、同性愛、両性愛、愛犬、愛猫、愛車、あらゆる種類の愛に近づかない。孤立する者の協会を設立してこの目的に奉仕する」などのような反…

『飛ぶ教室』 エーリッヒ・ケストナー 光文社古典新訳文庫

生きるのに役立つ名セリフ満載の本だが、小説としては書き込みが浅くてタルイよな。小学生の男子に読ませるなら有効だが、おっさんが今頃これを読んで感動していては恥ずかしいよな。「金持ちであることと有能であることは別問題」等の良識ある大人には当た…

『丸かじりドン・キホーテ』 中丸明 新潮文庫

『ドン・キホーテ』のダイジェスト訳とスペインの時代背景の解説とセルバンテスの伝記で構成されたお値打ちな本。『ドン・キホーテ』なんて古臭い滑稽文学だと思っていたが、メタ・フィクションの要素もある近代文学の開祖だったのである。

『読書の腕前』 岡崎武志 光文社新書

本書のベストセリフ飯島耕一「何もつよい興味をもたないことは 不幸なことだ ただ自らの内部を 目を閉じてのぞきこんでいる。 何にも興味をもたなかったきみが ある日 ゴヤ のファーストネームが知りたくて 隣の部屋まで駈けていた 生きるとは ゴヤ のファー…

『マリコ/マリキータ』 池澤夏樹 文春文庫

本書のベストセリフピエール「すべてが争いなしに、予定調和のうちにうまく配分される世界だったらどんなにいいだろうとずっと思っていた。自分と他人の区別がないのならどんなに楽だろうと思ってきた。感覚をすべて共有できたら、全部が一体となって一つの…

『ヘッセ詩集』 ヘルマン・ヘッセ, 片山敏彦訳 みすず書房

詩人と言えば女のヒモになる軟弱な奴が多いが、 硬派のドイツ人のヘッセの詩集はいいですぞ隊長!最高傑作は「さようなら世界夫人よ」ですな。 左翼バンド、頭脳警察が曲を付けたぐらい革命的な詩。

『死の淵より』 高見順 日本図書センター

永井荷風の従弟だが、いまいちマイナーな高見順ではある。 娘の高見恭子というか、娘婿の馳浩の方が有名だよなw

『ヴェニスに死す』 トオマス・マン  実吉捷郎訳

世界一のやおい文学。 腐女子に受けるには美少年×美少年だが、 醜いジジイ×美少年であるからこそ、文学的な深みが出るというものだ。

『メルヒェン』 ヘッセ  高橋健二訳

ヘッセの童話集である。 童話というものは、自分が愛されることしか考えない女子供の為に書かれる場合がほとんどだが、 硬派のドイツ人のヘッセの童話はいいですぞ、隊長! ベスト1はやはり「アウグスツス」でしょうな。 愛を垂れ流すベタベタ母親を持つ少年…

『魔の山』 トーマス・ マン  関泰祐, 望月市恵 訳

ドイツ皇帝ウィルヘルム二世が提唱した「黄禍論」に信奉した私は、 ドイツ文学に嵌っていた時期がある。 マンとヘッセは相当読んだつもりだが、 突っ込みたい作品はほとんどない。 で、「魔の山」であるが、 生真面目なドイツ人気質が感じられる良作だが、 …

『私の幸福論』 福田恆存 ちくま文庫

「幸福になりたい!」などという浅ましい欲望を所持していると、 神や仏に、「幸福になりたかったら俺様の言うとおりに生きろゴルァ!」 と脅迫されて、惨めな人生を送る破目になるので、 この手の本は読む趣味は無かったのだが、 知り合いの画家さんのお勧め本…

『第三の嘘』 アゴタ・クリストフ ハヤカワepi文庫

ホモネタは孤児院の少年達が深夜一つのベッドの中でナンカやってるらしい事しか語られないが、通常性欲の描写も消え、静謐な物語になった。

『ふたりの証拠』 アゴタ・クリストフ ハヤカワepi文庫

文学→ノワール→本格推理?二部までは謎の提示編に過ぎなかったのか?『第三の嘘』でまたどんでん返しがあるんだろうな。デラ楽しみ。

『エリック・ホッファー自伝―構想された真実』 作品社

哲学者というものは、アカデミズムに閉じこもって、語る必要のない無意味な事を考える馬鹿かと思っていたが、65才まで肉体労働者として暮らし、余暇として哲学者デビューしたこんな凄い人もいたんですね。

『悪童日記』 アゴタ・クリストフ ハヤカワepi文庫

文学扱いされるが、鬱陶しい純文学ではなくて、エンタメノワールの傑作だよね!ホモとの絡みをもっと書いてほしかった。主人公の少年の尻の穴は無事だったのだろうか?無駄な情報が多すぎる小説なんて読みたくないが、これの続きは読まずに止める事は不可能…

『お伽草紙』 太宰 治

・瘤取り ・浦島さん ・カチカチ山 ・舌切雀 本書のベストセリフ「処女の怒りは辛辣である。殊にも醜悪な魯鈍なものに対しては容赦が無い。」引き続いて引用が長くなるが、名文なので読んでくれたまえw

『ニーチェ』 ジル・ドゥルーズ 湯浅博雄訳 ちくま学芸文庫

ニーチェ (ちくま学芸文庫)作者: ジルドゥルーズ,Gilles Deleuze,湯浅博雄出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1998/05/01メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 18回この商品を含むブログ (30件) を見るこれ一冊あれば、ニーチェ自身の著作は必要ないお値打ちな…

『ボルヘスとわたし』 J・L・ボルヘス 牛島信明訳 ちくま文庫

ボルヘスとわたし―自撰短篇集 (ちくま文庫)作者: ホルヘ・ルイスボルヘス,Jorge Luis Borges,牛島信明出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2003/01メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (13件) を見る小説になってない出来損ないの短編小説(実際…

『マリコ/マリキータ』 池澤夏樹 文春文庫

マリコ/マリキータ (角川文庫)作者: 池澤夏樹出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/05/25メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (25件) を見る本書のベストセリフピエール「すべてが争いなしに、予定調和のうちにうまく配分される世界だったら…

『ブリキの太鼓』 グラス

最悪の壁投げ本。映画も糞だったが、小説は輪をかけて糞。私が今まで読んだ本の中で、ダントツのワースト1.。手抜きの文章水増しテクニックを駆使した、読者に不快感を与える目的で書かれた新しい文学w否定形でストーリーとなんの関係もないことを描写して水…

『カルロス四世の家族〜小説家の美術ノート〜』 井上靖 中公文庫

カルロス四世の家族―小説家の美術ノート (中公文庫)作者: 井上靖出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1989/05メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る●ゴヤの「カルロス四世の家族」について井上靖氏はフランシスコ・デ・ゴヤ・イ・…

『潤一』 井上荒野 新潮文庫

潤一 (新潮文庫)作者: 井上荒野出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/11/28メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (15件) を見るフツーの恋愛小説。ませた女子中学生でも書けるような知的レベルの低さ。純文学としてもエンタメとしても…

『荒野』 桜庭一樹 

荒野 12歳 ぼくの小さな黒猫ちゃん (文春文庫)作者: 桜庭一樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/01/07メディア: 文庫 クリック: 8回この商品を含むブログ (28件) を見る荒野 14歳 勝ち猫、負け猫 (文春文庫)作者: 桜庭一樹出版社/メーカー: 文藝春秋…

『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』  アンドレ・ブルトン著 巌谷國士訳 岩波文庫

シュルレアリスム宣言・溶ける魚 (岩波文庫)作者: アンドレブルトン,Andre Breton,巖谷國士出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1992/06/16メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 47回この商品を含むブログ (53件) を見る吾妻ひでおに「溶ける魚」というシュール…