2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『面白くて眠れなくなる数学』 桜井進  PHP研究所

四色問題等の有名なネタが多いが、著者の数学への愛が感じられる良書。数学は音楽のように美しくて面白いものであると爽やかに教えてくれる良書。最新ネタは超複素数八元数まで出て来ます。十六元数は成立しない。数学史の正史では小物の悪役のクロネッカー…

『史上最大の発明アルゴリズム―現代社会を造りあげた根本原理』 デイヴィッド・バーリンスキ 早川文庫NF

数学解説本かと思ったら、著者の短編小説も埋まってるトンデモ本。小説が挟まる構成は、ダグラス・R・ホフスタッターの『ゲーデル,エッシャー,バッハ―あるいは不思議の環』もそうであり、小説仕立てで数学解説するのも手ではあるが、ダグラス・R・ホフスタッ…

『自己愛な人たち』 春日武彦 講談社現代新書

古臭い男性ジェンダーを超越している素晴しい春日武彦先生の、自己愛に囚われたおかしな人についての痛快毒舌エッセイ。自分の患者だけでなく、小説家や画家もネタにしているが、有名画家や教科書に載るクラスの文豪に対してもボロクソ言っていて面白い。他…

『プロフェッショナル』 ロバート・B・パーカー 早川ミステリ文庫

スペンサーシリーズ37作目。本書のベストセリフ「マサチューセッツ州はゲイ問題に関しては昔から寛容だった」 「彼女を大切に思ってる。私たちはすべてを共有する、セックス以外。これからの生涯、ずっと彼女といたい」ホモの男性とヘテロの女性の夫婦愛に感…

『奇妙な情熱にかられて ―ミニチュア、境界線、贋物、蒐集』 春日武彦 集英社新書

奇妙な物を蒐集する奇想を論考し、生活感のリアリティを高らかに謳う人間賛歌の傑作。モナリザより、コルゲンコーワの店頭人形の方に熱いメッセージを感じる人達が存在する意義を照射する芸術論人間論の傑作。健全な人間よりキ○ガイの方が奥深くて面白いとい…