2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『意味がわかれば数学の風景が見えてくる』 野崎昭弘 他 ベレ出版 

『微分積分』『数と計算』『図形空間』『統計確率』の意味が判るシリーズ4冊の合本。全てのネタを2Pにまとめているので、ショートショートの小説のように読み易いとも言えるが、個々のネタの判り易さ、面白さ、センスオブワンダーにはやはり波があって、被っ…

『ディメンショングリーン(1)〜(3)』 佐々木 淳子 eBookJapan

コミケには出遅れたが、電子書籍として売ってたのでDLして読んだ。 世界一のSF漫画家佐々木淳子のダークグリーン第三部である。 今度の主人公は第二部ディープグリーンの主人公と同じ高校に通っていたOBの青年。職業は無職のホームレス!超能力者としては的中…

『奇跡の巡洋艦』 ダグラス・リーマン 早川文庫NV

本書のベストセリフ「女性には選択する権利がなければなりません。人が子供をつくるのには、ドイツ国家のために兵隊と母親をつくりだすということよりももっとましな理由があるはずです」戦争小説なのにジェンダー観が素晴しい異色の作品。そして、イギリス…

『先生の隠しごと―僕僕先生』 仁木英之  新潮社

僕僕一行は肌の色も目の色も違う異民族達が仲良く暮らしている理想郷に辿り着く。 建国者の王様が光の国と自称するそこは、法律もなく、 どんな職業に就いても良いし、就かなくても、食料も酒も配給される夢のような理想郷。 ニートの王弁クンの理想の地と思…

『推定無罪』 スコット・トゥロー 文春文庫

裁判が始まる前の200Pはミステリというよりも、人物を丹念に描く純文学。 主人公の息子の少年野球の試合の模様がミステリとしての伏線になるとは思えないが?序盤は退屈で寝てしまうが、裁判が始まったら面白くなりすぐ読了。すぐ下巻へ。下巻は一気読み。…

『東大生の論理― 「理性」をめぐる教室』 高橋昌一郎 ちくま新書

高橋先生が東大教官時代に、教え子の東大生をネタにして書いた一気読みのエッセイ。 クラスの君達一人一人に1万円か千円をプレゼントする。欲しい方の金額を書き給え。ただしクラスの20%以上が1万と書いたら、プレゼントは無しだ。もちろん相談は認めないの…

『友を選ばば』 荒山徹  講談社

ダルタニアン&柳生十兵衛、17世紀の最強タッグ完成! 敵は世界征服を企むケルト妖術師!?ねえ、朝鮮は、朝鮮ネタは(゚Д゚≡゚Д゚)ドコドコ?荒山先生が始めて朝鮮ネタの無い小説を書いた。朝鮮人にしか意味の無い朝鮮の歴史の薀蓄が無いのでリーダビリティは荒山作品…

『「戦後」を点検する』 保阪正康 半藤一利 講談社現代新書

反日半藤と弟子(?)の保阪の漫才対談集。天皇に敬語を使わず「天皇は言った」等の文を書いたのは半藤が先駆けで、自慢する半藤に保阪が「半藤さんの『日本のいちばん長い日』では一箇所敬語使ってる!」と突っ込むのが一番受けた。 全学連運動の考察で、今は右…

『竜が最後に帰る場所』 恒川光太郎  講談社

恒川光太郎様が究極の小説をお書きになられた!帯にわずか五編の物語で世界の全部を解放してしまったと書かれており、いくらなんでも大げさだろと思ったが、とんでもございません。 1発目の「風を放つ」だけでそう叫んでも良い大傑作。 ショートショートなら…

『読書会』 山田正紀、恩田陸 徳間文庫

SF系(漫画映画の話題も有り)の読書会で課題本以外に関連本がどんどん増殖するのが楽しいが、佐々木淳子が出て来ないのは寂しかった。 フェミニズムの視点でキングとル・グィンを読み解くのが一番面白かった。 遠回しに橋本治批判も埋まっているが、橋本治フ…

『歓喜の島』 ドン・ウィンズロウ 角川文庫

本書のベストセリフ「物書きと芸術家はまっぴらだ、あんな卑劣な連中はいねえ」 表のルールも裏のルールも尊重せず、素晴しい創作物を作ると自惚れて増長したクリエイターを揶揄する素晴しい作品。小説を貶す小説が面白くては自己矛盾と言うか、無駄な描写多…

『石田三成 ソクチョンサムスン』 荒山徹 講談社

キングギドラ対ロプロス、二大怪獣夢の大空中戦実現!ロプロスは怪獣ではなくて正確にはロボットだろと突っ込むバビル2世マニアの方もご心配召されるな。柳生の太祖崇矩(宗矩とちゃう)がリモコンでロプロスを操縦しまっせ!(西暦669年の飛鳥時代ですが、それが…