数学

『面白くて眠れなくなる数学』 桜井進  PHP研究所

四色問題等の有名なネタが多いが、著者の数学への愛が感じられる良書。数学は音楽のように美しくて面白いものであると爽やかに教えてくれる良書。最新ネタは超複素数八元数まで出て来ます。十六元数は成立しない。数学史の正史では小物の悪役のクロネッカー…

『史上最大の発明アルゴリズム―現代社会を造りあげた根本原理』 デイヴィッド・バーリンスキ 早川文庫NF

数学解説本かと思ったら、著者の短編小説も埋まってるトンデモ本。小説が挟まる構成は、ダグラス・R・ホフスタッターの『ゲーデル,エッシャー,バッハ―あるいは不思議の環』もそうであり、小説仕立てで数学解説するのも手ではあるが、ダグラス・R・ホフスタッ…

『意味がわかれば数学の風景が見えてくる』 野崎昭弘 他 ベレ出版 

『微分積分』『数と計算』『図形空間』『統計確率』の意味が判るシリーズ4冊の合本。全てのネタを2Pにまとめているので、ショートショートの小説のように読み易いとも言えるが、個々のネタの判り易さ、面白さ、センスオブワンダーにはやはり波があって、被っ…

『リーマン博士の大予想』 カール・サバー, 黒川信重 紀伊国屋書店

与えられた自然数に対し、その数の中に素数が幾つあるかを計算するゼータ関数の零点の解となる、複素数の実数部は全て1/2である。というのがリーマン予想。素数の分布を探すのに複素数が必要になるのも凄いが、零点になる1/2の位置の数直線上の虚数部の分布…

『完全なる証明―100万ドルを拒否した天才数学者』 マーシャ・ガッセン 青木薫訳 文春文庫

ポアンカレ予想を証明したペレルマンの伝記だが、まさか、野崎昭弘先生が出て来るとは!狂喜しました。 ただし、日本版のみ。数学パズルが2問埋まっているが、原著では答えが書かれてなかったらしく、訳者の青木薫女史は解けなかったので、野崎昭弘先生に解い…

『素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~』 ジョン・ダービーシャー 松浦俊輔訳 日経BP 

wikiでも直ってないリーマンの論文名の昔の誤訳の定訳「与えられた数より小さい素数の個数について」が、 「与えられた量より小さい素数の個数について」と正しく訳されているのが素晴しい!連続する変化量を扱わない離散数学である数論に、解析学の概念を導…

『寄り道の多い数学』 大沢健夫 岩波科学ライブラリー

反クロネッカーの数学史的にはよくある啓蒙パズル本。 2/3ほどは有名な問題ばかりで、コアな数学マニアには物足りないかも?著者は中高生を読者として想定して書いたらしいから、お子様を数学オタクにする入門書としてはいいかも?現実の身近なもの(列車内から…

『直観でわかる数学』 畑村洋太郎 岩波書店

形式論理学で、シーケンシャルに、AならばB、BならばC、CならばDとしか 理解出来ない筈の数学を、直観でいきなりAからDを理解しても良いのではないか? 理解出来るようにしてみせましょうという本。 数学は抽象的なので判り辛いので、 具象的なイメ…

『楽しく学ぶ数学の基礎』 星田直彦 ソフトバンククリエイティブサイエンス・アイ新書

本書のベストセリフ「挨拶なんてしなくても生きていけるぜ、俺には数学がある」中学で躓いた人向けだが、ほぼ全ページでイラストギャグ(2コマ漫画)をやっており、漫画並みにアッと言う間に読了出来ます。%の概念を説明するのに宇宙戦艦ヤマトを例に出した…

『ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者』 ジョージ・G・スピーロ  ハヤカワ文庫NF373

「多様体の基本群が単位元に還元されるにもかかわらずその多様体が球ではないということがありうるだろうか」 と、ポアンカレは問題提起したが、判り易く言うと、円は切って伸ばすと線分になります。8の字は円か9の字にしかなりません。二次元の場合は見ただ…

『代数に惹かれた数学者たち』 ジョン・ダービーシャー 日経BP社

本書のベストセリフ「ベルンハルト・リーマンは史上最も想像力に溢れた数学者」リーマンの天才性が理解出来る良書。関数と位相幾何学を結びつけたリーマンの功績が無ければテンソル解析学も無く、アインシュタインも一般相対性理論を完成させることは出来な…

『「無限」に魅入られた天才数学者たち』  アミール・D・アクゼル  青木薫訳 早川

実無限を考察したカントールに「数学は無限を扱うべきではない」と言ったクロネッカーが悪役扱い(犯人などという表記もある!)される、数学史的には正史よりの、無限を必要とする解析学(微積分学)者、集合論者の悲劇に焦点を当てた伝記本だが、これをつまらな…

『ぼくには数字が風景に見える』 ダニエル・タメット 講談社

ぼくには数字が風景に見える作者: ダニエル・タメット,古屋美登里出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/06/13メディア: 単行本購入: 22人 クリック: 229回この商品を含むブログ (155件) を見る本書のベストセリフ「ゲイであることで羞恥心を抱いたり、困惑し…

『オイラー、リーマン、ラマヌジャン』 黒川信重 岩波科学ライブラリー

オイラー、リーマン、ラマヌジャン―時空を超えた数学者の接点 (岩波科学ライブラリー)作者: 黒川信重出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/12/08メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 9回この商品を含むブログ (10件) を見る表紙にゼータの鼓動と書かれて…

『リーマンとアインシュタインの世界』 アンナ・リワノワ 東京図書

リーマンとアインシュタインの世界作者: リワノワ,松野武,山崎昇出版社/メーカー: 東京図書発売日: 1991/05/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る今、リーマンと言えばリーマンブラザーズだろうが、浅ましい経済ネタなぞ無視して、数学ネタ…

『不完全性定理』 クルト・ゲーデル 林晋&八杉満利子 訳 岩波文庫

ゲーデル 不完全性定理 (岩波文庫)作者: ゲーデル,林晋,八杉満利子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/09/15メディア: 文庫購入: 17人 クリック: 122回この商品を含むブログ (65件) を見る知性体が発見する真理でもっともかっちょええ真理、宇宙一の天才…

『ゲーデル,エッシャー,バッハ―あるいは不思議の環』 D・R・ホフスタッター  野崎昭弘 柳瀬尚紀 はやしはじめ訳

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版作者: ダグラス・R.ホフスタッター,Douglas R. Hofstadter,野崎昭弘,柳瀬尚紀,はやしはじめ出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2005/10/01メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 432回この商品を…

『リーマン予想は解決するのか?』 黒川信重 青土社

リーマン予想は解決するのか? ―絶対数学の戦略―作者: 黒川信重,小島寛之出版社/メーカー: 青土社発売日: 2009/06/01メディア: 単行本購入: 31人 クリック: 614回この商品を含むブログ (26件) を見る黒川先生は反ヒルベルト派と看破せり!カントールをデデキ…