『史上最大の発明アルゴリズム―現代社会を造りあげた根本原理』 デイヴィッド・バーリンスキ 早川文庫NF

数学解説本かと思ったら、著者の短編小説も埋まってるトンデモ本

小説が挟まる構成は、ダグラス・R・ホフスタッターの『ゲーデル,エッシャー,バッハ―あるいは不思議の環』もそうであり、小説仕立てで数学解説するのも手ではあるが、ダグラス・R・ホフスタッターのような優れたギャグセンスがこの著者にはなくて、マジキチで自己陶酔してトンデモ理論を開陳しておられます。

単純な物理法則と偶然から人間精神のような複雑なものは発生するわけがないそうです。ポール・デイヴィスと同様の複雑系賛美のアッチ系のトンデモ本です。

ゲーデル数の解説は判り易いし、ゲーデルのネタは帰納的関数、それを別の面から見たチャーチのλ関数も、チューリング万能チューリングマシンで再現出来る。
ゲーデルよりチャーチよりチューリングの方が頭が良いと分析してるまともな文もあるんだが、
キスシーンやベッドシーンのある小説が唐突に出てくるので白けて、
脱力してゲームに逃げてしまい読むのに8日もかかりました。

ボルヘスチューリングというトンデモ説も出て来るし、
理系の人より文系の人の為の本ですな。

数学四大奇書というカテゴリーが作られたら真っ先に候補に入るであろう本。