2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『ミステリアス・ショーケース』 デイヴィッド・ゴードン他 早川ポケミス

2011年に人気大爆発した現代アメリカミステリ作家達の最新作を集めた豪勢なアンソロジー。純文学寄りのノワールからエンタメに回帰しつつある最新事情に触れ感動して下さい。エンタメの妄想力の凄さに驚愕しろ!本格推理と言うよりは純文学寄りでトリックの…

『海賊とよばれた男』 百田尚樹 講談社

出光興産の創業者をモデルにしたノンフィクションノベルだが、感涙のエピソードの連続。私利私欲を求めず、国家国民の為に、政治家も軍人も官僚も大企業も敵に回す主人公が凄い。今年のNO1本に決定。GHQにも逆らってGHQを感心させて味方にした日本人って出光…

『解錠師』 スティーヴ・ハミルトン 早川ポケミス

本書のベストセリフ「美術学校へ行くとどうなるか知っているか? きみには生まれながらのすばらしい技法がある。精巧な描写力がね。やつらはそれを叩きつぶす。きみの力に圧倒されるあまり、キャンバスに絵の具を猿みたいに投げつけろと命じるんだ。卒業する…

『鋼の魂 僕僕先生』 仁木英之 新潮社

僕僕先生シリーズ6作目。今回久し振りに僕僕が男に変身して萌えた。月の女神嫦娥の再登場も嬉しい。嫦娥の部下の蛙の妖怪の准遼が可愛くてタマラン。う〜ん癒されます。ヒロインは准遼にして僕僕は美少女に変身するのは止めて欲しい(ごめんなさいごめんなさ…

『虹の解体―いかにして科学は驚異への扉を開いたか』 リチャード・ドーキンス 早川書房

どの本でもグールド批判があるのがドーキンスだが、これは酷い。グールドを疑似科学者、文が巧いだけのサイエンスライターとコケおろしています。まともな進化論学者はグールドの説なんか支持しないが、進化論全面否定の聖書原理主義者とグールドは戦ってく…

『問題は、躁なんです 正常と異常のあいだ』 春日武彦 光文社新書

良いとされる男性的ジェンダーを躁病と揶揄する傑作。男性的とされる能動性外向性行動力自信を持ってテキパキと判断する資質って、実は躁病と同義。 人間の精神はうつが基本。 精神病はうつ病→躁病と悪化していく理論に大納得しました。 躁病の気質が必要な…

『夜明けのパトロール』 ドン・ウィンズロウ 角川文庫

21世紀の新シリーズなので、ジェンダー観が進化しており素晴しい!主人公はサーファー探偵だが、実は恋人の方がサーフィンの能力が高い。女に負けても恥とも屈辱とも思わず女を支援する主人公がかっちょええ!恋人がプロサーファーに成れるかの重大な日に、海…

『感性の限界――不合理性・不自由性・不条理性』 高橋昌一郎 講談社現代新書

序盤の、無意味な数字に引きずられて不合理な判断してしまうアンカリング、 脳の中に心(判断システム)は二つ(利己的遺伝子に有利に働く心と個体に有利に働く心)ある。 との話題に引き込まれて一気読み出来るが、 限界シリーズの最後を飾るには、ネタが残って…

『暗号解読』 サイモン・シン  新潮文庫

もし彼が存在しなかったら、第二次世界大戦はあと3年は続き、更に何千万人もの犠牲者が出たであろうと推測される、世界史最大のヒーローが、1952年警察に逮捕された。罪名は「同性愛」。世界征服を企む悪のナチスドイツの究極の暗号エニグマを解読し、連合国…