『鋼の魂 僕僕先生』 仁木英之 新潮社

僕僕先生シリーズ6作目。今回久し振りに僕僕が男に変身して萌えた。月の女神嫦娥の再登場も嬉しい。嫦娥の部下の蛙の妖怪の准遼が可愛くてタマラン。う〜ん癒されます。ヒロインは准遼にして僕僕は美少女に変身するのは止めて欲しい(ごめんなさいごめんなさい)。

まあ、萌え作品と思わせて今回けっこう重い話である。首に鎖繋がれる奴隷になっても生き延びよ!という生命賛歌の素晴しい話である。

雲南国(正確には六国に分裂している)を攻めようとする唐とチベットの陰謀に僕僕一行が巻き込まれる話だが、雲南のリーダーは神官でありながら、神の力は利用せずに人間として努力しようとする魅力的な人間。

唐の圧倒的軍事力の前に、雲南の湖に眠る太古の神を巨大ロボット兵器として復活させざるを得なくなるが、正義の理念(イデ)を実体化(オン)させるのは、僕僕ではなくて、弟子の劉欣。操縦するのは、雲南のサブリーダー。

純粋防衛反応で復活する神であるが、戦争する人々の狂気は、イデオンを汚染しイデオンは暴走する。イデオンを止めるのは誰か?という話です。(ちょっと違う)

主人公の筈の王弁は今回も何もせずに、ギャグメーカーとして人々に笑いを与えるのであった。次回はチベットのラサへ医学修行なので、王弁の登場が増えるのを期待する。

鋼の魂―僕僕先生

鋼の魂―僕僕先生