『解錠師』 スティーヴ・ハミルトン 早川ポケミス
本書のベストセリフ
「美術学校へ行くとどうなるか知っているか?
きみには生まれながらのすばらしい技法がある。精巧な描写力がね。やつらはそれを叩きつぶす。きみの力に圧倒されるあまり、キャンバスに絵の具を猿みたいに投げつけろと命じるんだ。卒業するころには、高校生に美術を教えるしか能がなくなっている。
いいこともある。きみはたぶん、女とやりまくるだろう」
アカデミズム批判の傑作。自称芸術家の男は女目当てのケダモノと揶揄した傑作。
美術の才能もある金庫破りを主人公にした文学寄りのノワールで、小技はあるがミステリとしては並。
ご都合主義がちょっと気になる。
巧いんだけど、頭のみで考えて作った嘘くささを感じる。
カメラのような記憶力を持ってるのに、自宅に泥棒が入った事はないと嘘つくのは何故?店舗は家ではないという認識か?
自身も錠前破りの泥棒みたいなもんだから、泥棒が泥棒に入られるのは恥だと思う思考も予測出来るが、この時は犯罪組織に入る前なので、
自宅の酒屋に強盗が入った事あります。
他人が不法侵入してくるのは怖いです。
被害者のあなたの痛みは理解出来ます。
反省してます。
と伝えれば心象がよくなって、
保護観察下における、拷問みたいなプール作成作業を回避出来たのでは?
で、炎天下の作業だが、家の外にある水道の蛇口から水飲んで冷たいような描写があるが、水道管も暖められていて生暖かい水しか出て来ない気もするんだが?
作者、炎天下の肉体労働本当にしたことあるのか?
ラブレター代わりの絵を背中に隠して持ち込むのも、
汗でベショベショになる気もする。
泥棒時代に警報機の赤外線センサーを誤魔化す為に、室内暖房を体温近くにまで上げるというトリックも出てくるが、暖房が止まるとみるみるうちに室内温度が下がり、
赤外線センサーに識別される危険が出て来るのもなんか嘘くさかった。
恋愛小説青春小説として細かいことは気にしなければそれなりに楽しめますが(笑)
解錠師〔ハヤカワ・ミステリ1854〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
- 作者: スティーヴ・ハミルトン,越前敏弥
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/12/08
- メディア: 新書
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