『問題は、躁なんです 正常と異常のあいだ』 春日武彦 光文社新書

良いとされる男性的ジェンダーを躁病と揶揄する傑作。

男性的とされる能動性外向性行動力自信を持ってテキパキと判断する資質って、実は躁病と同義。
人間の精神はうつが基本。
精神病はうつ病→躁病と悪化していく理論に大納得しました。
躁病の気質が必要な職業、アーティスト、クリエイター、政治家は、
平たく言えばみんなキチ○イである。

自分の事だけでなくて、他人も配慮するのが普通の正常の人間。
自分が世界の中心で目立てないと駄目だと思うのは、き○がいですよ。

躁病の作家の事例(幸田文中島らも等)も出てくるので、
文学ファンにも楽しく読めると思います。

基本的に三面記事を賑わした犯罪者から躁病と推理される事例を検証してます。
放火犯には躁病は居ないという説明がとても判り易い。
躁病なら消防士に向かって、
「ドヘタクソ、俺が消火してやるから、ホースをよこせ!」
と怒鳴るそうです。
悪化してると火事場に乱入して人命救助のヒーローになる可能性もある。
きち○いの論理で動いているのに、政治家やクリエイターが英雄視されることもあるように、
軽い躁病は本人にも周りにも良い結果をもたらす事があるから怖い。

あなたの会社のやり手社長は実は躁病かもしれませんよ、ガクガクブルブル。

問題は、躁なんです   正常と異常のあいだ (光文社新書)

問題は、躁なんです 正常と異常のあいだ (光文社新書)