『自己愛な人たち』 春日武彦 講談社現代新書

古臭い男性ジェンダーを超越している素晴しい春日武彦先生の、自己愛に囚われたおかしな人についての痛快毒舌エッセイ。自分の患者だけでなく、小説家や画家もネタにしているが、有名画家や教科書に載るクラスの文豪に対してもボロクソ言っていて面白い。

他者に批判的な人は心に余裕のない精神的欠陥者だという説もありうるが、春日先生はディーン・クーンツ同様に自分はキ○ガイかもしれないと真摯に考察し、子供を作らない人生を選択したケジメのある人である。

男性を超越どころか、子供を残さないという、生命体の常識も超越している春日先生は私の理想ですら〜。

ジェンダーを乗り越える為には、それなりのエピソードがあった筈だが、
本書では春日先生が少年時代に女々しいと苛められた事件が開陳されています。

で、現在の春日先生の夢は宝塚の男役になることだそうです。
宝塚演劇学校って女子しか入学不可能では?
まず、性転換手術を受けて戸籍も女にする必要があるな(笑)

本当のところは生まれ変わりがあるとしても春日先生は人間には成りたくないそうです。

人間と付き合うのが嫌い。
しかし、科学者として人間を観察するのが大好きというのが春日先生である。

深読みの天才、春日先生の人間観察力に酔いしれろ!

自己愛な人たち (講談社現代新書)

自己愛な人たち (講談社現代新書)