『プロフェッショナル』 ロバート・B・パーカー 早川ミステリ文庫

スペンサーシリーズ37作目。

本書のベストセリフ

マサチューセッツ州はゲイ問題に関しては昔から寛容だった」
「彼女を大切に思ってる。私たちはすべてを共有する、セックス以外。これからの生涯、ずっと彼女といたい」

ホモの男性とヘテロの女性の夫婦愛に感動!
21世紀の小説としてシェアリング婚の話題も出て来て、サクサク読める軽いハードボイルドだが、時代の進歩に合わせてスペンサーも成長し続けるのが良い。

デビュー時は薄汚いロリコン野郎だったスペンサーの老熟振りが素晴しい!

今回一人も悪人を殺さない。美人の依頼人に強請り屋を殺してと頼まれても拒否。
異性の為に殺人する者は古臭い時代遅れの人格障害者ざんす。

今回の敵は人妻専門の強請り屋(夫に不倫を知られたくなければ金寄越せ)だが、
趣味で人妻誘惑していたが、悪女に金になると唆され強請り屋に転落。

金より女の方が好きな強請り屋なので、
スペンサーに諭されてあっさり強請り屋を辞める。

が、それから元強請り屋の周りで連続殺人事件が!

元強請り屋との間に奇妙な友情が芽生えたスペンサーは、
依頼人もいないのに趣味で捜査を開始。

敵と思われた強請り屋が味方サイドにシフトしていくのがさすがパーカー。

単純な話に思わせてちゃんと読ませる捻りがあるのが、パーカーのプロの技。

パーカー死去につきスペンサーシリーズは続きをエース・アトキンスが書くそうだが、
1970年生まれの若僧にパーカーの円熟の技が再現できるか不安だ。

アトキンス版スペンサーは1作読んで只のエピゴーネンと判断したらもちろんスペンサーシリーズからは卒業します。

ホーク×スペンサーのホモ同人誌でも読むか(笑)

プロフェッショナル〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 (スペンサー・シリーズ)

プロフェッショナル〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 (スペンサー・シリーズ)