『奇妙な情熱にかられて ―ミニチュア、境界線、贋物、蒐集』 春日武彦 集英社新書

奇妙な物を蒐集する奇想を論考し、生活感のリアリティを高らかに謳う人間賛歌の傑作。モナリザより、コルゲンコーワの店頭人形の方に熱いメッセージを感じる人達が存在する意義を照射する芸術論人間論の傑作。

健全な人間よりキ○ガイの方が奥深くて面白いという視点に共感。

本書で春日先生は自動車運転免許を持ってない事を告白しておられるが、春日先生は古臭いジェンダー観を超越している素晴しい人である。

俺は人々を救うお医者様だと偉ぶらずに、B級の存在、マイナリティへの愛が溢れる春日先生の生きる姿勢は素晴しい。
春日先生は私の理想の人物ですぅ、(;´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア

生きるセンスの良い人間として鶴見俊輔モナリザより云々は鶴見の言葉)や、
岡田斗司夫に触れているから二人のファンの方は必読。

俳句オタクも必読。
ミニチュアコレクションの話題が縮める文化の話題になり、
短詩の話題になり、世界一短い究極の俳句を求める運動を紹介する章は大爆笑出来ます。
五七五もまだ長い!三五三にしよう!!
いや、一一が究極だ!!!

笑えるが、真面目に暴走する奇想家の存在に、
暖かい眼差しを投げかける春日先生はホント魅力的。

春日先生は本当は狂気に憧れているのではないかとも思いました。