『代数に惹かれた数学者たち』 ジョン・ダービーシャー 日経BP社

本書のベストセリフ

ベルンハルト・リーマンは史上最も想像力に溢れた数学者」

リーマンの天才性が理解出来る良書。

関数と位相幾何学を結びつけたリーマンの功績が無ければテンソル解析学も無く、

アインシュタイン一般相対性理論を完成させることは出来なかった。

宇宙論のストリング理論には6次元のヤコビ多様体が必要だが、

多様体の名付け親もリーマンであり、ヤコビ多様体はケーリー多様体を発展させたものであり、

もちろんリーマン面を含むのである。
素粒子を発生させるストリングの動きはリーマン面の美しい曲率と同じだそうですよ。

リーマンファンは必読の書。

純粋な代数学から離れた脱線が多すぎるが、

多様体(幾何学)の関数(解析学)に群(代数学)が発見された時、

それを研究する行為は幾何なのか解析なのか代数なのかということで、

数学の大元は多分同じ理論で説明できる(圏論=カテゴリー学による関手による写像)

圏論集合論に汚染されているので哲学寄りになる胡散臭さはあるが、

数学は実は根元はみんな一緒ということで、

代数の本で幾何や関数の話題があっても気にしてはいけないよな。

歴史、地理、政治にまで脱線するのは辟易したが(笑)

紀元前2000年からの面白そうな代数数学者を網羅した本だが、

数学者と同じ時代に生きた数学者ではない有名人のエピソードも紹介してるのは、

無駄なページ稼ぎに思えた。

代数に惹かれた数学者たち

代数に惹かれた数学者たち