『リーマン博士の大予想』 カール・サバー, 黒川信重 紀伊国屋書店

与えられた自然数に対し、その数の中に素数が幾つあるかを計算するゼータ関数の零点の解となる、複素数の実数部は全て1/2である。

というのがリーマン予想素数の分布を探すのに複素数が必要になるのも凄いが、零点になる1/2の位置の数直線上の虚数部の分布が、
量子力学ガウス・ユニタリ・アンサンブルに属するランダム行列の固有値の対相関の密度と一致するのはぶっとびます。
リーマンの非ユークリッド幾何学が無ければ相対性理論は発見されなかったが、量子力学の理論までリーマンは見つけていたとは!
やはりリーマンがNO1数学者ですな。
ガウス・ユニタリ・アンサンブルに属するランダム行列の固有値の対相関の密度というのは、ハミルトニアンのランダムエネルギー準位の理論に必要になる計算の事。
純粋数学の数論の素数の話が、最新物理理論にも結びついて行く過程にゾクゾクします。
複雑系カオス系の話も出て来ます。
複雑系カオス系の区別がついてない人にも判り易い例が出て来ます。
単純なカオスは存在します。
数学理論をアナロジーで説明するのは無理があって100%成功してるとは言えませんが、
最初の方は小学生にも理解出来る自然数の話から入るので、
数学嫌いの人も無理なくこの本の世界に浸れるでしょう。

リーマン博士の大予想 数学の未解決最難問に挑む

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