『ぼくには数字が風景に見える』 ダニエル・タメット 講談社

ぼくには数字が風景に見える

ぼくには数字が風景に見える

本書のベストセリフ

「ゲイであることで羞恥心を抱いたり、困惑したりすることはなかった」


ゲイ文学としても楽しめますぜ、兄貴!

801シーンはないので、正常な人も安心して読んで下さい。

正常と異常に境界がある考えは古い。

スペクトラム(連続体)概念で

程度の差の個性の違いだとするのが最近の考え方なので、

何の能力もない単に変な人もこれを読んで救われて下さい。

著者は魅力的だがクリスチャンなのは欠点だな。欠点も個性なので、まっいいか。

数学本としては三角数素数フィボナッチ数列、πの美しさが語られます。

著者はアルペルガーだが、サヴァンとしてπ22500桁を暗唱して、

ギネスブックに載った、数字に色や形や感情!?が感じられる共感覚能力者です。

頭に数字を思うだけで同時に風景が見えるという、

数字オタクには夢のように素晴しい障害者です。

数字を思うだけで絵本のような物語が発生するのだ。

著者の頭の中には1万までの数字が全て色と形に対応しており、

掛け算は二つの図形の間の図形として一瞬に見て答えを出す。

10進法の繰り上がり計算が著者には出来ない。

数字を図形として覚え、見た図形を数字に戻すのだ。

同時に発生する共感覚なので、覚えるとか戻すという表現は誤解されるか。

著者に見える数字の大きさは数字のスカラーに比例してないのが面白い。

0から9の数字の中では、

1が一番ノッポさんの堂々とした頼りになる大きな図形に見えるそうです。

6はムカツクとか、4は落ち着くとか、

数字自体に感情もついて回るので、

著者には感情を刺激する小説は必要ないのが興味深い。

まあ、サヴァンは左脳に障害があり言語能力が劣り、

右脳が発達し、計算と美術と音楽の能力が強化されるので、

そうなるのは脳科学として当然の結果だろうけど。

左脳が弱いので比喩が理解出来ない、

二重否定さえ単純肯定でよいのに何故ややこしく表現するのか悩む脳の持ち主です。

小説は無駄な表現多すぎるよなw

同じパラダイムの似たような小説読むのも飽きたので、

このブログもノンフィクション寄りにシフトして行きます。

レアなノンフィクションのお勧めじゃんじゃん求む。

http://roko3.cocolog-nifty.com/tuiteru/2007/08/post_79ab.html