『竜が最後に帰る場所』 恒川光太郎  講談社

恒川光太郎様が究極の小説をお書きになられた!帯にわずか五編の物語で世界の全部を解放してしまったと書かれており、いくらなんでも大げさだろと思ったが、とんでもございません。
1発目の「風を放つ」だけでそう叫んでも良い大傑作。
ショートショートなら小松左京がホラーと思わせてギャグで同じような事をやっていたが、短編でシリアスに究極ホラーを突き抜けた究極作品を恒川光太郎様は書いてしまったのです。
別の例えをすると究極の剣法は剣を持たない柳生新陰流無刀取りである。
恒川光太郎様はボルヘスも越えた!!
現実を改革出来る具体案を盛り込んだ究極のホラーファンタジー作品である。
いじめ問題、死刑制度(復讐殺人の是非)の明確な答えが述べられている。
幸福になる具体例をちょっと紹介しておくか。
50万円貯めてスペイン旅行するべし。
美女が化け物に襲われていて自分に助けてとすがってきた場合は、
美女の頭を殴り、置き去りにして自分だけ助かるべし!
「風を放つ」「迷走のオルネラ」「夜行の冬」「鸚鵡幻想曲」「ゴロンド」
の五編が収録されてます。
ダークな方面に突き抜けたと思わせて、素晴しい光り輝く短編集である。

竜が最後に帰る場所

竜が最後に帰る場所