『読書会』 山田正紀、恩田陸 徳間文庫

SF系(漫画映画の話題も有り)の読書会で課題本以外に関連本がどんどん増殖するのが楽しいが、佐々木淳子が出て来ないのは寂しかった。 フェミニズムの視点でキングとル・グィンを読み解くのが一番面白かった。
遠回しに橋本治批判も埋まっているが、橋本治ファンがこれ読む事はないだろうから、問題ないな(笑)。
好きな小説を再現したくて読者が小説家に成るという説が述べられているが、現在ならゲームデザイナーを志すのではと思った。
個重視の考え方が蔓延したのでSFは衰退したとの分析は納得。
ほとんど小説を読んだ事もないのに、
名誉欲のみで作家志望する若者を揶揄してるのも良かった。
私は恩田陸は『光の帝国』のみ読んで見捨てたが、
作者の創作姿勢に触れ、何故私は恩田陸と合わないかが理解出来た。
キングとクーンツの比較はとても判り易い。
何故キングの方が受けるかも見事に分析しています。
私はキングは『デッドゾーン』のみ読んで見捨てたが、
クーンツは全部読んでる(笑)
山田正紀も全部読んでいるが、
この本で紹介されている本で未読で読みたいと思ったのは、
半村良の『岬一郎の抵抗』ぐらいかな。
SF系と言いながら佐々木淳子を知らないアンテナの狭い論客達の紹介なので、
この本に出て来る本を全部読んでる人ってけっこう多いと思う。

読書会 (徳間文庫)

読書会 (徳間文庫)