山田正紀

『読書会』 山田正紀、恩田陸 徳間文庫

SF系(漫画映画の話題も有り)の読書会で課題本以外に関連本がどんどん増殖するのが楽しいが、佐々木淳子が出て来ないのは寂しかった。 フェミニズムの視点でキングとル・グィンを読み解くのが一番面白かった。 遠回しに橋本治批判も埋まっているが、橋本治フ…

『機神兵団』 山田正紀  ハルキ文庫

昭和12年の上海に宇宙人来襲!宇宙人の戦闘ロボットの残骸を分析し、大日本帝国は対宇宙人専用の独立戦闘隊機神兵団を結成。全長20メートルのロボット3体のパイロットとして個性溢れる3人が集まる。機神兵団初出撃までを描く第一巻である。漫画版やアニメ版が…

『影の艦隊』 山田正紀 トクマ・ノベルズ

本書のベストセリフ「わたしは男性の援助を受けて、それで生きるような、そんな暮らしを送りたくないのです」ソ連の傀儡国家日本人民共和国(領土は北方四島)と日本が戦う斬新な仮想戦記。どちらの日本にも主人公クラスの日本人が配置されているが、敵が日本…

『仮面戦記』 山田正紀 徳間ノベルズ

本書のベストセリフ 「信長にしろ、秀吉にしろ、しょせんは人の領地を奪いとろうとする盗人にすぎない。そんな欲ボケが、なんで上等な人間であるものかよ、どんなに大義名分をおしたてたところで、盗人は盗人であり、人殺しは人殺しにすぎないのだ」戦国時代…

『装甲戦士〈2〉戦艦奪回指令OZ』 山田正紀 ノン・ノベル

戦争賛美も反戦も超克し、物語は滑稽文学として開花!?短小包茎のチンコを勃起させて死んで行く味方等、笑いに満ちた戦闘シーンが素晴しい!!スーパーナチュラルとの直接の戦闘はないまま終わったが、続きが書かれれば、神=究極の戦闘との戦闘が有り得るかもし…

『装甲戦士1ベトナム戦線マル秘出動令』 山田正紀 ノン・ノベル

パワードスーツものはハインラインもホールドマンもベトナム戦争を想起させるが、ベトナム戦争をネタにするなら、そのままベトナム戦争にパワードスーツを登場させるのが、素直な解釈。SFだからと宇宙人を敵にしない正紀の天才性は素晴しい。 宇宙人というか…

『血と夜の饗宴(サバト) 』 山田正紀 広済堂ブルーブックス

47階建ての青山ハイタワーの秘密に挑む女達の冒険ハイテクホラーオムニバス。 主人公が負けて二代目三代目と死に続ける斬新なパターン。 四代目の女が男達を部下にして、47階からガラスの階段を使うトリックが、福本伸行の『カイジ』の鉄骨渡りレースを想起…

『螺旋の月―宝石泥棒2』 山田正紀 ハルキ文庫

『宝石泥棒』の続編でファンタジー世界から舞台は宇宙になると思い込んでいたが、序章は人類が滅亡してから400万年後の地球の支配者蛸人間の話である。人間以外の知的存在を描写出来るのはSFしかない。これぞSFやねと狂喜しますた。で続編として前作の主人公…

『ふたり、幸村』 山田正紀 徳間書店

陳舜臣の『秘本三国志』のあっと驚く謎の解決方法を更に捻った大傑作。実にして虚、虚にして実、仁にして義にして礼にして智にして信、軍師小説の最高傑作宮城谷昌光の『晏子』にも匹敵する大傑作。SF作家でもある正紀にしか考え付かない地球規模の凄いトリ…

『美しい蠍たち』 山田正紀 トクマ・ノベルズ

蠍のような毒婦たちの騙し騙され殺し殺されのコンゲームデスゲームユーモアミステリ。セリフのある登場人物は全て女という、男無視の痛快なノワールとも言える。男よりお金が好きな峰不二子タイプばかりが熾烈に知恵を巡らせる謀略小説とも言えます。ミステ…

『赤い矢の女』 山田正紀 徳間ノベルズ

密室での人間消失で始まるので本格推理かと思ったら、パズラー度は薄い感じで、トラベルミステリーというか、サスペンスですな。日本国内ウロウロするだけでは、凡百のトラベルミステリーだが、天才正紀なので、下巻はソ連国内へ!取材に基づくリアルなソ連国…

『ファイナル・オペラ』 山田正紀 早川

ナヨナヨした美少年が三人も出て来るジェンダー観も素晴しい21世紀の本格推理小説。3.11以後に書かれた為か、純粋の知的ゲームに徹しきれず、罪なき子供が災害や戦争で殺される事への正紀の憤りが透けて見えて、ちょっと重くてエンタメとしては爽快感にやや…

『天動説〈2 蝦夷伝奇編〉』 山田正紀 カドカワノベルズ

天保時代で開幕したこのシリーズだが、なんと、明治時代、日露戦争秘話として閉幕。吸血鬼と戦い続ける一族の話だとして落ちました。 正紀版ジョジョの奇妙な冒険だったのか!?漫画や映画のお約束を破り、超絶能力対超絶能力にはならず、吸血鬼に対して駆逐艦…

『天動説〈1 江戸幻想編〉』 山田正紀 カドカワノベルズ

大江戸ヴァンパイア小説。 4つの短編のオムニバスである。 ヒロインに思われた美少女が呆気なく死ぬのはさすが正紀。 主人公は鉄太郎かと思ったら、主馬が主役張る話もあって、二人主人公かと思ったら、主馬はなんと! 次巻が楽しみである。天動説〈1 江戸幻…

『幽霊軍団 (スーパーカンサー③)』 山田正紀 徳間

シリーズ最終巻の最後の最強最悪の敵は、大日本帝国復活を夢見る、元関東軍参謀が組織した私兵軍団、大日本帝国の亡霊、幽霊軍団である。軽い軟派なアクションSFとして開幕した本シリーズだが、やはり反日正紀の本領発揮、大和魂やら愛国心やらを空疎なもの…

『超人軍団 (スーパーカンサー②)』 山田正紀 徳間

今作の敵はバットマンとワンダーウーマンとスパイダーマン。アメコミファンのマッドサイエンティストが造った超人軍団である。アメコミのような軽いノリでサクサク読めるが、超蟹男としてついに武器の鋏が登場するが、結局敵の超人三人を主人公は一人も倒せ…

『破壊軍団―スーパーカンサー①』 山田正紀

スーパーカンサー、それは不死の超癌細胞を持つ不死身の超蟹男。 世界中に戦争を起こして利益を得る武器商人の陰謀に巻き込まれ、県大輔はスーパーカンサーとして目覚める! スーパーカンサーはわずか4時間で死体から復活する、 ではそのブロセスを見てみよ…

『物体X』 山田正紀 ハヤカワ文庫JA

「物体X」 「暗い大陸」 「見えない人間」SFの真髄は中編にあり!という持論を持つ正紀のSF中編集。 アイデアが無限に湧き出る天才正紀なので、 中編に惜しみもなくアイデアを捨てる事が可能だが、 普通の作家なら長編化するよな。 「物体X」は『遊星…

『人間競馬 悪魔のギャンブル』 山田正紀 角川ホラー文庫

悪魔に超能力を授けられた4人のデスゲームホラーだが、ミステリとして超能力のルールが明確で無く、あんまり乗れなかったが、ラストでそれも伏線であったと気付き、天才正紀に惚れ直しますた。まさか、ラストをアンフェアだと怒る人はいないよね?

『謀殺の弾丸特急』 山田正紀 徳間文庫

ど素人の日本人観光客8人が、非武装の蒸気機関車で、プロの軍人達が駆るガン・ジープ、ディーゼル船、戦闘ヘリ2機、装甲ディーゼル機関車、戦車を退治してしまう痛快な大傑作!総合評価は「火神(アグニ)を盗め」 の方がもちろん上だが、巻き込まれ型なので…

『人喰いの時代』  山田正紀  ハルキ文庫

「人喰い船」 「人喰いバス」 「人喰い谷」 「人喰い倉」 「人喰い雪まつり」 「人喰い博覧会」昭和10年代を舞台にした時代ミステリ短編集と思わせて、ラストの話で現代も絡み、それまでの五個の話がひっくり返る構成が見事!ラストの話のグルーヴ感は素晴し…

『吉原螢珠天神』 山田正紀  集英社文庫

「あやかし」 「辛うござる」 「吉原螢珠天神」本書のベストセリフ「功名といえばきこえはいいが、人を殺めることではないか。人を殺めて、殺めた者の名を首帳に記して、なんの功名ぞ。」 チャンバラSF短編集。宇宙人を朝鮮妖術師に変えれば、荒山徹の世界に…

『鏡の殺意』 山田正紀 双葉文庫

最初の1Pで犯人逮捕!目撃者もいる現行犯で犯人も犯行を認める。5P後に語られる裁判の結果は無罪。「確かに僕が犯人です。しかし、真犯人は神なんですよ」犯人も被害者も事件関係者全てがキ○ガイという変格ミステリの傑作。サスペンスメロドラマと思わせて、…

『七面鳥危機一発』 山田正紀 双葉文庫

表紙がモンキー・パンチで正紀版ルパン三世と思わせて…

『神曲法廷』 山田正紀 講談社文庫

本書のベストセリフ「マッチ擦るつかのま海に霧深ふかし身捨るほどの祖国はありや」(寺山修司) 正紀にしか書けない反日ミステリの傑作。J・G・フィヒテの絶対真理命題「私は私である」をキチ○イ民族の日本人は理解出来ずに確固たる自我を持たない幼稚な日本…

『阿弥陀(パズル)』 山田正紀 幻冬舎文庫

エレベーターの中で女性が消える!普通のミステリならトンデモない所に死体として現れるもんだが最後まで死体は出ませんw長編で殺人事件でないのはレアですなww

『帰り舟 深川川獺界隈』 山田正紀 朝日文庫

主人公のやくざが六連発のリボルバーを持ってる大江戸西部劇!(アレっ?)。

『イリュミナシオン 君よ、非情の河を下れ』 山田正紀 早川

本書のベストセリフ「アメリカは例によってテロリスト殲滅をスローガンにし、PKOを隠れ蓑にしているが、結局は自国に利益を誘導するために動いているにすぎない」 そのテロリストを宇宙人が援助していたからもうタイヘン!ウィトゲンシュタインやラカンの思…

『長靴をはいた犬』 山田正紀 講談社文庫

探偵は超能力者、そして犯人も超能力者、二人が出会った時、犯人は探偵が「あなたが犯人です」と言う場面を幻視する。が、犯人には犯行した覚えは無かった!

『ツングース特命隊』 山田正紀 ハルキ文庫

本書のベストセリフ「地図の上、朝鮮国にくろぐろと、墨を塗りつつ、秋風を聴く」(石川啄木)。 朝鮮の抗日義兵に協力する売国奴と愛国者がチームを組んでツングース爆発の謎に挑む冒険SF。SFとしてのネタよりも、反日冒険活劇の面をもっと追求してほし…