『仮面戦記』 山田正紀 徳間ノベルズ

本書のベストセリフ
「信長にしろ、秀吉にしろ、しょせんは人の領地を奪いとろうとする盗人にすぎない。そんな欲ボケが、なんで上等な人間であるものかよ、どんなに大義名分をおしたてたところで、盗人は盗人であり、人殺しは人殺しにすぎないのだ」

戦国時代を舞台にしたヒロイックファンタジー。忍者や幻術師や魔道士がドラゴンやペガサスに乗って派手な空中戦をするが、超常能力を持たない泥棒のコマンドチームが、冒険小説のノリで楽しい。能でタイムトラベルするネタが山田風太郎の『柳生十兵衛死す』(1991年(平成3年)発表)と同じだが、この本の初版も1991年。雑誌掲載時を調べないと正確に比較出来ないが、全ての面白い話の元祖は正紀なので、たぶん風太郎より早かった筈。厳密に言うと能面被ってテレポートだけで、時間移動はしてないが、時間移動も可と明記されてます。

2巻で全長10メートルの巨大ロボキタ――(゚∀゚)――!!荒山徹の『魔風海峡 死闘! 真田忍法団対高麗七忍衆』は(2000年12月、祥伝社)。この本の初版は1992年、時代小説で仮面の忍者赤影をやってしまったは、荒山徹が元祖ではなかった。やはり、全ての面白い話の元祖は正紀であった。

秀吉軍団vs魔道士軍団vs幻術師軍団vs主人公の泥棒軍団の四つ巴の戦いは、どの勢力の敵か味方か判らない怪しい人物も跳梁跋扈し、錯綜する。1巻からの敵がついに味方になったと思われるところで未完。ここで終りかとコケた。ズサ━━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━━!!この3巻は中途半端過ぎるので、2巻で読むのを止めた方が良いかもしれない。