『ストリート・キッズ』 ドン・ウィンズロウ 創元推理文庫

ニール・ケアリーシリーズ第一作。

ドン・ウィンズロウのデビュー作で、プロットがややこなれてない印象を受けたが、
18世紀の英文学を教える大学教授になる事を夢見る大学院生が探偵役の、
主人公のキャラが斬新なハードボイルド。
闘うより逃げるのが得意で、殺人もセクロスもしない爽やかな主人公像が素晴しい。
ロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズのポールが探偵になったらこうなったのではと想起させる傑作。
ということで、主人公と義父との関係も胸を打つ。
ロス・トーマス風の謀略小説の匂いも感じた。
ジョー・R・ランズデール風のギャグアクションもあり。
パーカー+トーマス+ランズデール/4って感じ?(/3ではないのか?笑)
充分(´∇`)ケッサクではあるが、
爽やかである分、ウィンズロウの他の作品に比べると、
ちょっとインパクトが足りないように感じるのは、
刊行順に読まなかった私が悪いですね。

小説家になろうとしてこれ書いたのではなくて、
入院中の暇潰しに書いた作品なので、
習作だが、掃いて捨てるほどいるプロのハードボイルド作家の水準作よりレベルは高いよな。

私はハードボイルド・冒険・謀略系ではギャビン・ライアルが世界一だと思ってるが、
ライアルを越える可能性があるのは、やはりウィンズロウか?

ストリート・キッズ (創元推理文庫)

ストリート・キッズ (創元推理文庫)