『赤い矢の女』 山田正紀 徳間ノベルズ

密室での人間消失で始まるので本格推理かと思ったら、パズラー度は薄い感じで、トラベルミステリーというか、サスペンスですな。

日本国内ウロウロするだけでは、凡百のトラベルミステリーだが、天才正紀なので、下巻はソ連国内へ!

取材に基づくリアルなソ連国内の描写は素晴しいが、推理小説としてのトリックは90%予測可能かな。

匂いトリックはもっと突き詰めるとより面白くなると思われるが残念だった。

ソ連の体制は嫌いでもロシアの文化芸術が好きな人は必読。

共産党のヘタクソな政治のせいで、普通の人民は満足に食料も買えない(流通してない)が、本屋には本がいっぱい!

紙の無駄としか思えない詩集もいっぱい本屋に並んでいるそうですよ。

さすがロシアは文豪大国、一般人の読書率も凄く高いそうです。

懐の深いロシアに萌えたい人は読んでね。