2011-08-17から1日間の記事一覧

『仲達』 塚本青史 角川

世界征服を企む悪の軍事独裁国家蜀の麻薬王孔明に敢然と立ち向かった正義の美青年仲達の物語(ちょっと違うw)。蜀が北朝鮮のように国家事業として麻薬を栽培して悪い事してるのは一応描かれてます。描写が地味過ぎて熱烈お勧めではないが、悪の蜀に興味がある…

『謀殺の弾丸特急』 山田正紀 徳間文庫

ど素人の日本人観光客8人が、非武装の蒸気機関車で、プロの軍人達が駆るガン・ジープ、ディーゼル船、戦闘ヘリ2機、装甲ディーゼル機関車、戦車を退治してしまう痛快な大傑作!総合評価は「火神(アグニ)を盗め」 の方がもちろん上だが、巻き込まれ型なので…

『「昭和」を振り回した6人の男たち』 半藤一利 編著 小学館文庫

「日本人を振り回した六人〜歴史が転回するとき」 半藤一利 「満蒙に理想は実現せず〜世界最終戦論と石原莞爾」 利根川裕 「綱渡り外交が遺したもの〜三国同盟と松岡洋右」 土門周平 「戻せなかった歴史の歯車〜太平洋開戦と東条英機」 桧山良昭 「米内を斬…

『人喰いの時代』  山田正紀  ハルキ文庫

「人喰い船」 「人喰いバス」 「人喰い谷」 「人喰い倉」 「人喰い雪まつり」 「人喰い博覧会」昭和10年代を舞台にした時代ミステリ短編集と思わせて、ラストの話で現代も絡み、それまでの五個の話がひっくり返る構成が見事!ラストの話のグルーヴ感は素晴し…

『一年でいちばん暗い夕暮れに』 ディーン・クーンツ 早川文庫NV

なんじゃこりゃあ!オッド・トーマスで一皮剥けたニュー・クーンツの作品とは思えない。愛犬が死んだ年に発表された作品で、これを書いていた時のクーンツは頭がおかしくなっていたと判断します。

『鳳凰の黙示録』 荒山徹 集英社

時代小説だが、時代を超越したジェンダー観が相変わらず素晴しいし、荒山独自の歴史観文明観も研ぎ澄まされた、22世紀に伝えるべき、21世紀時代小説の最高傑作!生物多様性とか地球に優しいという語句も出てくる未来への希望を語る美しい時代小説。

『シャーロック・ホームズ最後の解決』 マイケル・シェイボン 新潮文庫

本書のベストセリフ「老人の目にうかがえたのは、そんなものがあるとすればだが、私心のまったくない渇望だった。彼女の"ロマンチックな性格"を良しとしない夫の前ではそれ以上説明できなかったが、その渇望は情欲も物欲も悪意も善意も欠いていた。それは知…

『吉原螢珠天神』 山田正紀  集英社文庫

「あやかし」 「辛うござる」 「吉原螢珠天神」本書のベストセリフ「功名といえばきこえはいいが、人を殺めることではないか。人を殺めて、殺めた者の名を首帳に記して、なんの功名ぞ。」 チャンバラSF短編集。宇宙人を朝鮮妖術師に変えれば、荒山徹の世界に…

『ババ・ホ・テップ』 ジョー・R・ランズデール 早川ミステリ文庫

「親心」 「デス・バイ・チリ」 「ヴェイルの訪問」(アンドリュー・ヴァクスと合作) 「ステッピン・アウト、1968年の夏」 「草刈り機を持つ男」 「ハーレクィン・ロマンスに挟まっていたヌード・ピンナップ」 「審判の日」 「恐竜ボブのディズニーランドめぐ…

『鏡の殺意』 山田正紀 双葉文庫

最初の1Pで犯人逮捕!目撃者もいる現行犯で犯人も犯行を認める。5P後に語られる裁判の結果は無罪。「確かに僕が犯人です。しかし、真犯人は神なんですよ」犯人も被害者も事件関係者全てがキ○ガイという変格ミステリの傑作。サスペンスメロドラマと思わせて、…

『グラーグ57』 トム・ロブ スミス 新潮文庫

本書のベストセリフ「なんでも好きなことをさせて、喜ぶようなことを言っていれば、子供には気に入られる。それは簡単なことよ。機関銃を渡して、おまえは革命の子だと思わせる。魅惑的な嘘よ。でも、そんなことであの子があなたを愛するようになるとは思え…