『グラーグ57』 トム・ロブ スミス 新潮文庫

本書のベストセリフ

「なんでも好きなことをさせて、喜ぶようなことを言っていれば、

子供には気に入られる。それは簡単なことよ。

機関銃を渡して、おまえは革命の子だと思わせる。

魅惑的な嘘よ。

でも、そんなことであの子があなたを愛するようになるとは思えない」

「そんなことはこっちも頼んでない。

なのに、おまえたちは愛を要求する。

ふたりともそういうことの虜になってる。

にもかかわらず、おまえたちと一緒に暮らしていたときのあの子は不幸この上なかった。

今はわたしと幸せに過ごしてる。それが真実だ」


家族愛を否定する素晴しい傑作!

トム・ロブ・スミス一発屋では無かった!

序盤の映像化し辛いトリックにまず唸り、怒涛のストーリー展開に一気読み!

21世紀のエンタメとしてジェンダー観も素晴しい!
これ読んだら古臭いノワールなんてもう読めなくなりますよ!!

こんなに面白くて良いのか!!!

作者まだ30ですよ。

驚異の大型新人の登場ですな。

グラーグ57〈下〉 (新潮文庫)

グラーグ57〈下〉 (新潮文庫)

グラーグ57〈上〉 (新潮文庫)

グラーグ57〈上〉 (新潮文庫)