『ババ・ホ・テップ』 ジョー・R・ランズデール 早川ミステリ文庫

「親心」
「デス・バイ・チリ」
「ヴェイルの訪問」(アンドリュー・ヴァクスと合作)
「ステッピン・アウト、1968年の夏」
「草刈り機を持つ男」
「ハーレクィン・ロマンスに挟まっていたヌード・ピンナップ」
「審判の日」
「恐竜ボブのディズニーランドめぐり」
「案山子」
「コジラの十二段階矯正プログラム」
「ババ・ホ・テップ(プレスリーVSミイラ男)」
「オリータ、思い出のかけら」

本書のベストセリフ

「その本にはすべての種類の魂喰らいが出てくる。

政治家とSFファンを除いてね」


PFとSF以外はなんでも書くランズ様のミステリファンタジーホラースカトロ純文学短編集。

尾之上浩司の作品の並べ方が巧い!

一個目はミステリ作家でもホラー作家でも純文学作家でも、

誰でも書けそうな話だが、

二個目からランズ様しか書けない面白い話が加速し続ける!

大笑いするハチャメチャ系が目立ってしまうが、

ラストの「オリータ、思い出のかけら」で、

純文学ファンも泣いて下さい。

私が一番気に入ったのは、

「ハーレクィン・ロマンスに挟まっていたヌード・ピンナップ」である。

主人公はつるっ禿げの髭の生えた老女(古本屋経営)である。

ジェンダー観も素晴しいランズ様の最高短編集。
バラエティ豊かな作品群なので、

ランズ様入門には最適だろう。

ランズ様を読んだことがない人は、

この短編集から読むことを強くお勧めする。

現代短篇の名手たち4 ババ・ホ・テップ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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