ディーン・クーンツ

『フランケンシュタイン 対決』 ディーン・クーンツ ハヤカワ文庫NV

序盤(1巻)は大期待させ、中盤(2巻)で中だるみして、終盤(3巻)呆気ないクーンツのよくあるパターンになってしまったが、この巻は全5巻(6巻以降も有り得るが)の内の3巻なので、見捨てるのは早いですぞ諸君。フランケンシュタイン博士の倒し方がショボ過ぎて見…

『ヴェロシティ』 ディーン・クーンツ 講談社文庫

6時間後にお前のせいで誰かが死ぬ!が5時間、5分、1分とドンドン加速していく序盤の巧いクーンツの本領発揮の傑作。加速感メインでラブラブファイヤーや説教を削ぎ落としたので軽く感じるが、エンタメホラーに説教されるのが嫌いでクーンツを読まなくなった…

『一年でいちばん暗い夕暮れに』 ディーン・クーンツ 早川文庫NV

なんじゃこりゃあ!オッド・トーマスで一皮剥けたニュー・クーンツの作品とは思えない。愛犬が死んだ年に発表された作品で、これを書いていた時のクーンツは頭がおかしくなっていたと判断します。

『ストーカー』 ディーン・R・クーンツ 創元推理文庫

女に振られてストーカーになった普通のサイコさんが、女の弟と夫を5000km追走する話。夫を殺せば女は自分の元に帰ってくるというキチ○イの論理が哀れw夫が30年間の人生で一度も喧嘩したことのない平和主義者なのは異色だが、愛する妻を守る為に戦ってしまう…

『殺人プログラミング』 ディーン・R・クーンツ 光文社文庫

クーンツスタイルが確立される前の若い頃の作品で、未熟だが、信念に基づくワンパターンが開発される前の作品なので、普通のクーンツ作品ではありえない事態も出来します。

『デモン・シード完全版』 ディーン・クーンツ 創元SF文庫

自意識を持ったコンピュータが、人間になろうとする話。男性としてのジェンダーを持つ自我なので、自分を創った博士の妻を拉致監禁して、自分の子供を受胎させようとする話。ロバート・J・ソウヤー の「ゴールデン・フリース」 同様、語り手が犯人のコンピ…

『逃切』 ディーン・R・クーンツ  菊池光 訳  創元推理文庫

やべっ!競馬ミステリの本家、ディック・フランシス の『興奮』 の4倍面白い!小説は工夫を凝らしたプロットと、キャラ立ちが要だと再認識しました。センチュリ・オークスに200万ドル以上の金が集まる土曜日に向けて、強盗団、詐欺師、放火魔、競馬必勝法を…

『真夜中への鍵』 ディーン・クーンツ 創元推理文庫

福本伸行 の『カイジ』の鉄骨渡り時の悟りと同じような感動的な孤独への考察がナイス!が、自分だけが特別に幸福でなければならないと思い込む「オレ様化する子どもたち」 世代には通用しないかw苦しんでいるのは自分だけではないという境地は現代ではムリポ…

『夜の終りに』 ディーン・R・クーンツ 扶桑社ミステリー文庫

改稿版の「チェイス」読んでいるので、読む必要は無かったが、改稿版の存在を知らない時に買ってあったのでイヤイヤ読んだw意外な事に改稿版の方が刈り込みが多く、こっちの方が無駄なエピソードが多い。

『嵐の夜 ストレンジ・ハイウェイズ3』 ディーン・クーンツ 扶桑社ミステリー文庫

本書のベストセリフ「いかなる名前や形にせよ、神は存在していないし、宗教などというものは、自分ひとりでこの大宇宙に立ち向かう勇気をもちあわせていない弱者の逃げ場にすぎない」

『闇の殺戮』 ディーン・R・クーンツ 光文社文庫

クーンツ作品に出てくる化け物は、遺伝子改造化け物が多いが、これはヴードゥーの悪魔が地獄から召還されるレアなパターン。ヴードゥー教というと、ヴードゥーの呪いが有名だが、それはヴードゥーの悪魔を使役する黒魔術であり、ヴードゥーにも白魔術、善な…

『悪魔は夜はばたく』 ディーン・R・クーンツ  平井イサク 訳 創元推理文庫

超能力者や自称悪魔(しかも吸血鬼)が出て来るが、SFホラーというより、ミステリホラー。超能力者のヒロインをサポートする兄と夫の仲が悪く、クーンツ作品で正義側が一枚岩ではないとは珍しいなと思ったら、正義側の兄と夫のどちらかが、実は悪魔の連続殺人…

『善良な男』 ディーン・クーンツ 早川文庫NV

スーパーナチュラルもスーパー兵器も出て来ない、ただのサスペンスでも、クーンツには『ハズバンド』 という大傑作があったのに、『ハズバンド』 以後にこんな凡作を書けるクーンツの神経には恐れ入る。章立てが多く、改ページが多いので、あっと言う間に読…

『奇妙な道―ストレンジ・ハイウェイズ1』 ディーン・クーンツ  扶桑社ミステリー文庫

「奇妙な道」 「ハロウィーンの訪問者」の2作が収録された短編集。って、「奇妙な道」は300Pありますがw「奇妙な道」は実はリプレイものだが、こんなにつまらないリプレイものは初めてだ。

『汚辱のゲーム』 ディーン・クーンツ 講談社文庫

終盤で天然ボケのお馬鹿なクーンツ節が爆裂するが、ラストの怒涛の展開に至るまでが退屈すぎて駄目。下巻だけ読めといいたいが、ミステリとしての伏線は上巻にも埋まっているし、やっぱ辛くても上巻から読まないとアカンな。解説の春日武彦はラスト100Pで小…

『トワイライト・アイズ』  ディーン・R・クーンツ 角川ホラー文庫

クー様 は三人称のカットバックが普通だが、これは少年の一人称で最後まで突っ走るレアなパターン。少年の内面描写や比喩表現がややうざい文学寄りのカーニバルファンタジーホラー。文体が青くワケワカランのは、スタージョンのアレを意識してるのだろう。不…

『12月の扉』 ディーン・R・クーンツ 創元推理文庫

標準的なクーンツだが、いつもと違うパターンもある。

『闇へ降りゆく―ストレンジ・ハイウェイズ2』  ディーン・クーンツ 扶桑社ミステリー文庫

「フン族のアッチラ女王」(Miss Attila the Hum) 「闇へ降りゆく」(Down in the Darkness) 「オリーの手」(Olie's Hands) 「罠」(Trapped) 「ブルーノ」(Bruno) 「ひったくり」(Snatcher) 「ぼくたち三人」(We Three)の7編が収録された超絶の短編集。SFホラ…

『雷鳴の館』 ディーン・R・クーンツ 扶桑社ミステリー文庫

まさに究極のエニグマ。ベタなタイトルで幽霊やゾンビが出て来て、ホラーでしかありえないと思うと、島田荘司に匹敵する大スケールのトリックで、超常現象を科学的合理的に説明し、実はミステリだったと判る話。

『マンハッタン魔の北壁』 ディーン・R・クーンツ 角川ホラー文庫

ボブ・ラングレー の『北壁の死闘』 へのオマージュ。ただし、登ったり降りたりするのはアイガー北壁ではなくて、マンハッタンにある40階建ての高層ビルですがw同じネタ使っているので、これを読む前に、ボブ・ラングレー の『北壁の死闘』 は読んでおこう!

『邪教集団トワイライトの追撃』 ディーン・R・クーンツ 扶桑社ミステリー文庫

10Pごとに何かが起こり、50Pごとに誰かが死ぬ、ノンストップアクションホラー!

『ウィスパーズ』 ディーン・R・クーンツ 早川文庫NV

これはネタバレしたらアカンな。クーンツ論で誤魔化そう。クーンツの小説はジャンルミックスなので、どう展開するか判らないのが魅力。恐怖の超常現象が起こったように見えて、実はスーパーナチュラルが登場しない、ただのサスペンスという落ちもありえます。

『ライトニング』 ディーン・R・クーンツ 文春文庫

ナチスドイツが出てくる時間SFとしても、ジェイムズ・P・ホーガン の「プロテウス・オペレーション 」 より出来がいい。なんでこのネタをSF作家は考え付かなかったのだ!という時間SFの常識を覆す凄いアイデアが爆裂します。

『戦慄のシャドウファイア』 ディーン・R・クーンツ 扶桑社ミステリー文庫

20Pで悪役が交通事故で死亡!でも死体は消える!!不死身の敵キタ━━(゚∀゚)━━!! !『ミスター・マーダー』 の10倍面白い。テンポの良さはクー様 No.1だろう。上下巻一気読み出来ます。

『ドラゴン・ティアーズ』 ディーン・クーンツ 新潮文庫

本書のベストセリフ「たしか作者はフランシスコ・デ・ゴヤ ――初等美術観賞の授業でいまも記憶にのこっているのは、それだけだった。見る者の心胆を寒からしめ、見る者の神経をすり減らし、恐怖と絶望の感覚を味わわせる絵だ。そのいちばんの理由は、頭部をう…

『人類狩り』 ディーン・R・クーンツ 創元SF文庫

クー様 がベストセラー作家になる前の貧乏SF作家時代の作品だが、長い小説書く能力が無い故に、逆に感動のコストパフォーマンスは良いであろう。現在のクー様 は1000P超えが普通だがこれは250Pもない。短すぎるので読む楽しみを減らさない為に、内容はあまり…

『バッド・プレース』 ディーン・R・クーンツ 文春文庫

世紀の性器トリックが爆裂するSFミステリホラーサスペンススリラー!読者の期待通りと予測を裏切る絶妙のストーリー展開で一気読み出来ます。いつものクーンツのネタが総動員されるが、微妙に外して、余分な引きが無いので、「そうこなくちゃ!」「そうき…

『チックタック』 ディーン・クーンツ 扶桑社ミステリー文庫

クーンツ様にしか書けないギャグホラー。ぬいぐるみが動き出し主人公に襲いかかる!ただひたすら逃げ回る一夜をカットバック無しで、主人公視点のみで突っ走ります。

『ミスター・マーダー』 ディーン・クーンツ  文春文庫

本書のベストセリフ「あのなかでだれより不安や悲しみにうまく対処し、だれより落ち着いていたのは、小説を読んでいた人たちだった」 小説の効用を訴えた素晴しいエンタメ。映画マニアの殺し屋と小説家が殺しあうという話。

『ハイダウェイ』 ディーン・R・クーンツ 文春文庫

本書のベストセリフ「神がその"たったひとりの子"を男としたのは誤りではないか?キリストは女であるべきではなかったのか?古来、あらゆる苦痛を耐え忍んできたのは女であり、したがって女こそがもっとも偉大な自己犠牲の、慈悲の、超越性の象徴となるべき…