2011-07-23から1日間の記事一覧

『I’m sorry,mama.』 桐野夏生 集英社文庫

ルール無視のアウトローを主人公にした悪漢小説と言いながら、実はつまんない小物の悪党が主人公の話が世間には多いが、さすが桐野夏生 である。キム・ジョンイルネタや美智子皇后ネタはヤバすぎるだろwさすがに美智子皇后は殺せないが、太宰治の隠し子は殺…

『ストーカー』 ディーン・R・クーンツ 創元推理文庫

女に振られてストーカーになった普通のサイコさんが、女の弟と夫を5000km追走する話。夫を殺せば女は自分の元に帰ってくるというキチ○イの論理が哀れw夫が30年間の人生で一度も喧嘩したことのない平和主義者なのは異色だが、愛する妻を守る為に戦ってしまう…

『金春屋ゴメス』 西條奈加 新潮文庫

何故か長い間「金物屋ゴメス」だと思い込んでいたw金春屋とは飯屋の屋号だが、その隣に建物がある独立国家江戸の長崎奉行所の出先機関のコードネームでもある。月面都市もある未来に、日本に誕生した独立国家江戸を舞台にしたファンタジーというか、SFと言っ…

『ロシアン・ルーレット』 山田正紀 集英社

アストラルのレゾンデートルがアウフヘーベンしている驚天動地のホラー!普通のホラーとしてもダイエット妖怪がデラ怖い。世界のホラー作家の誰も考え付かなかった、全く新しいホラーの世界がここにある。

『殺人プログラミング』 ディーン・R・クーンツ 光文社文庫

クーンツスタイルが確立される前の若い頃の作品で、未熟だが、信念に基づくワンパターンが開発される前の作品なので、普通のクーンツ作品ではありえない事態も出来します。

『天狼星』 栗本薫 講談社文庫

伊集院大介シリーズ7作目。本格推理というよりは、怪盗対探偵の活劇になったが、大介様の人類愛が相変わらず素晴しい!怪盗シリウスは大介様が好きなので、大介様のいる東京でわざわざ事件を起こしてかまってもらいたがるのだw

『サラン 故郷忘じたく候』 荒山徹 文春文庫

「耳塚賦」 「何処か是れ他郷」 「巾車録」 「故郷忘じたく候」 「匠の風、翔ける」 「サラン 哀しみを越えて」の六篇が収録された短編集。全てが文禄・慶長の役ネタで、朝鮮妖術無しの地味な話で、描写が少なく歴史の説明が多く、ワクワク感が少ないが、最…

『ゴールデン・キール』 デズモンド・バグリィ 早川文庫NV

主人公は人殺しはしない主義の造船技師。元イタリアパルチザンとコマンドを組み、150万£ものムッソリーニの金塊奪取作戦に挑む!母艦はもちろん帆船!海千山千のライバルたちを出し抜き、主人公のチームはお宝をGET出来るのだろうか?という話です。

『残虐記』 桐野夏生 新潮文庫

新潟柏崎少女監禁事件をネタにした小説だが、一年間の監禁生活(史実は9年だったか?)で、25才の変態青年は10才の美少女に挿入しないという、パターン外しの傑作。裸にして見ながら自慰するだけの本物の変態w少女が救出された後に、青年の家の庭からは死体が発…

『冷えきった週末』 ヒラリー・ウォー 創元推理文庫

フェローズ署長シリーズ。本書のベストセリフ「ベッドでは解決できない問題がある」 推理小説は問題を解決するカタルシスを楽しむものなのに、余分なベッドシーンを書く作家は知的レベルの低いアフォですな。人間に生まれた最高の楽しみは知的好奇心を満たす…