2011-07-16から1日間の記事一覧

『秋の星々の都 [永遠の戦士フォン・ベック②]』 マイクル・ムアコック 早川文庫SF

ジェンダーファンタシィの傑作。男社会、男文化をけだものの作りしものと評する傑作。①巻から150年後で主人公は①の子孫だが、250P過ぎから①のキャラも再登場します。ファンタジィ世界に突入するのが300P過ぎてからで、展開は遅いが、前半も歴史小説として…

『人類狩り』 ディーン・R・クーンツ 創元SF文庫

クー様 がベストセラー作家になる前の貧乏SF作家時代の作品だが、長い小説書く能力が無い故に、逆に感動のコストパフォーマンスは良いであろう。現在のクー様 は1000P超えが普通だがこれは250Pもない。短すぎるので読む楽しみを減らさない為に、内容はあまり…

『グロテスク』 桐野夏生 文春文庫

語り手の"わたし"が、『ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語』 で有名になったバージェス動物群のファンなのが素晴しい。ルイ=フェルディナン・セリーヌ が訴えた人生の無意味さを進化論で補強しようとする素晴しい知的興奮に溢れる本。繊細…

『黄金の魔獣』 タニス・リー 早川文庫FT

いきなり男女のズッコンバッコンから始まるので、腐女子は801シーンもてんこ盛りと期待してしまうだろうが、男同士の絡みの描写はキスシーンしかありません。黄金の金髪のイギリス人がイスラム社会(トルコ?)で不死身の狼男になってしまい、世界中を駆け回…

『柳生雨月抄』  荒山徹

モスラや大蛸のような巨大怪獣や、怪人蠍男もオスカル様も、なんでも有りの妖術大戦の話だが、敵が朝鮮妖術師なので、朝鮮の歴史の説明が退屈だが、日本史のトピックの陰には、朝鮮の陰謀があったという、ユダヤ人の陰謀ものやニャントロ星人の陰謀もののよ…

『バッド・プレース』 ディーン・R・クーンツ 文春文庫

世紀の性器トリックが爆裂するSFミステリホラーサスペンススリラー!読者の期待通りと予測を裏切る絶妙のストーリー展開で一気読み出来ます。いつものクーンツのネタが総動員されるが、微妙に外して、余分な引きが無いので、「そうこなくちゃ!」「そうき…

『ナヴァロンの嵐』 アリステア・マクリーン  早川文庫NV

小説『ナヴァロンの要塞』 の続編ではなくて、映画『ナバロンの要塞』の続編である。マリアという女はなんじゃらほい!百合種で颯爽とデビューしたマクリーンであるが、ナバ砲が売れて映画業界に汚染されて、並以下になったな。マクリーンは百合種と要塞だけ…

『昭和の名将と愚将』 半藤一利 文春新書

本書のベストセリフ大本営参謀本部作戦課長稲田正純「ともかく悪いのはみんな関東軍だ、 現地が言うことをきかなかったからあんなことになった」司馬遼太郎「こんなやつが作戦課長だったのかと心底あきれた」

『チックタック』 ディーン・クーンツ 扶桑社ミステリー文庫

クーンツ様にしか書けないギャグホラー。ぬいぐるみが動き出し主人公に襲いかかる!ただひたすら逃げ回る一夜をカットバック無しで、主人公視点のみで突っ走ります。

『柔らかな頬』 桐野夏生 文春文庫

直木賞受賞作だが、大衆小説と言うよりは、純文学寄りか?密室殺人事件もののミステリと思わせて、解決編は無いw