『秋の星々の都 [永遠の戦士フォン・ベック②]』 マイクル・ムアコック 早川文庫SF

ジェンダーファンタシィの傑作。

男社会、男文化をけだものの作りしものと評する傑作。

①巻から150年後で主人公は①の子孫だが、

250P過ぎから①のキャラも再登場します。

ファンタジィ世界に突入するのが300P過ぎてからで、

展開は遅いが、前半も歴史小説としてそれなりに楽しめます。
有名な実在人物がイパーイ出てきます。

教養小説としても読めます。


本書のベストセリフ

「わたくしたちは根本から変化しなければならない!

混沌から秩序が生まれる――その秩序とは、

これまで推測もできなかった調和が基礎になる、

その偉大なる象徴は両性具有者です。

女=男!

テセウスアリアドネは、

けだものに立ち向かって団結しました。

そのけだものは、人間のなかにある愚劣さ、

残虐さ、思慮の欠如、強欲などすべてをそなえたもの。

そのけだものは利己的で不条理で残酷です。

それは威張りくさって歩きまわるもの、

戦争を単純に喜ぶもの!

それはハーレムを維持するのと同じこと。

女が大きな犠牲を払い、男の自惚れを保持するために女の性を使う。

昨今、けだものは洗練された民主国家の言葉で話します

――しかし所詮はけだものです!」

秋の星々の都 [永遠の戦士フォン・ベック2] (ハヤカワ文庫SF)

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