『真夜中への鍵』 ディーン・クーンツ 創元推理文庫

福本伸行 の『カイジ』の鉄骨渡り時の悟りと同じような

感動的な孤独への考察がナイス!

が、自分だけが特別に幸福でなければならないと思い込む

オレ様化する子どもたち」 世代には通用しないかw

苦しんでいるのは自分だけではないという境地は現代ではムリポ

いちいち個別に夜回り先生やら夜回り坊主に

声かけてもらえないと救われない

想像力の貧困な若者には笑いますよなww
で本書は、

舞台は日本!、時代は今!!、

ジョアンナ・ジョイグリム(通称ジョジョ)の奇妙な冒険である。

ジョジョの夢にスタンドバイミーする腕が機械の男ッ!

「我がドイツの科学力は世界一ィィィ!!」

という話である(ちょっと違う)

アルフレッド・ベスター の『分解された男』へのオマージュもやってるので、

『分解された男』を読む予定の人はこれは読んでは駄目。

『分解された女』というタイトルにした方がSFファンにも受けたかもな。

ネタかぶりクーンツとしては、

ストレンジャーズ』 と『汚辱のゲーム』 にかぶってますw


本書のベストセリフ

「感情というものは普遍的なものだということ。

それから、ある意味では、

彼はけっして一人ぼっちではなく、

一人ぼっちだったこともない。

そしてけっして一人ぼっちにはなりえないということ。

飲んだくれの両親の暴力におびえて暮らしていた子ども時代、

アレックスは絶望しきっていた。

なぜなら、自分は孤立し、

切り捨てられていると思っていたからだ。

だが彼が父親に打ちすえられていた同じ夜に、

世界じゅうのありとあらゆる片隅で

ほかの子どもたちが彼と同じ苦しみに耐えていたのだ。

病んだ親の、または見知らぬ大人の犠牲となって。

みなともにそれを耐え忍んでいたのだ。

いろんな意味で、彼らはひとつの家族といえた。

被害者という共通点でくくられる家族。

苦痛も幸福も個人だけの特別なものではない。

人間はみな、同じ感情の川からそれをくみあげているのだ。

その同じ川の水を飲むことにより、

あらゆる人種、宗教、国家がまるごとひとつの種族となる」

真夜中への鍵 (創元推理文庫)

真夜中への鍵 (創元推理文庫)