2011-07-15から1日間の記事一覧

『ハプスブルグ一千年』 中丸明 新潮文庫

本書のベストセリフオクタウィアヌス「死ねゃあーたら、花も実もねーだべっちょ。 朕さんになって殺されるより、 長生きして酒池肉林、 きしめん食っとったほーが仕合わせっつーもんだがね」 オクタビウスやシーザーの話題もありゃあすので、正確には「ヨー…

『ミスター・マーダー』 ディーン・クーンツ  文春文庫

本書のベストセリフ「あのなかでだれより不安や悲しみにうまく対処し、だれより落ち着いていたのは、小説を読んでいた人たちだった」 小説の効用を訴えた素晴しいエンタメ。映画マニアの殺し屋と小説家が殺しあうという話。

『伊集院大介の冒険』 栗本薫 講談社文庫

伊集院大介シリーズ第4巻。本格推理としては普通よりやや下のレベル。ただし、犯人像や被害者像がMy好み。演劇少女等の芸術や芸術家を揶揄し、大人しい羊のような才能の無い庶民への暖かい眼差しが素晴しい。

『軍犬と世界の痛み』 マイクル・ムアコック 早川文庫SF

”永遠の戦士フォン・ベック”シリーズ第①巻本書のベストセリフ「貧しい世界ですから、悪しき世界、堕落に向かって衰えゆく世界ですから。犠牲も払わず愛を求める世界です。欲望を即座に充足させることを求める世界ですよ、幼児のように、獣のようにね。そして…

『ブラックスワン』 山田正紀 ハルキ文庫

アリバイが無い事だけでは、起訴されることはない。ヘタなアリバイ工作は墓穴を掘る行為。凝ったアリバイ工作は、全体の整合性を整えるのが難しく、これも破綻する可能性が高い。現実の犯人はアリバイ工作なんかしないが、推理小説ではパズルとしてアリバイ…

『ハイダウェイ』 ディーン・R・クーンツ 文春文庫

本書のベストセリフ「神がその"たったひとりの子"を男としたのは誤りではないか?キリストは女であるべきではなかったのか?古来、あらゆる苦痛を耐え忍んできたのは女であり、したがって女こそがもっとも偉大な自己犠牲の、慈悲の、超越性の象徴となるべき…

『脱出記―シベリアからインドまで歩いた男たち』 スラヴォミール・ラウイッツ ヴィレッジ文庫

本書のベストセリフ「体験を含めて何もかも、すべて比較の問題だ」 9ヶ月かけて6500kmを歩いた脱獄者たちの感動のノンフィクション。比較出来る体験も知識も少ない子供が自殺するのは笑うよな。自殺したいと悩める環境は天国だと思いますw飲まず食わずでも12…

『ストレンジャーズ』 ディーン・R・クーンツ  文春文庫

本作のキーワードセリフ 「あっ、月が…」 「真紅の…」 「宇宙服?…」クーンツ版「幻魔大戦」「星を継ぐもの」と紹介出来るギャグネタが埋まってるのはイイw最初の100P、第一章は丸々いらないよな。クーンツを読んだことが無い人には勧めてはいけない、無駄…

『鬼面の研究』 栗本薫 講談社文庫

伊集院大介シリーズ第3作。本書のベストセリフ「かれらにはかれらの生活とやり方があるということ、それこそが、TV――いや、現代のマスゴミにとって、最も理解しがたいことなのではないのだろうか」 権力の監視機構ではなくて、第四の権力者集団と成り下が…

『ながい眠り』 ヒラリー・ウォー 創元推理文庫

フェローズ署長シリーズ第1作。ヒラリー・ウォーと言えば有名作はみんな警察小説だが、このフェローズ署長シリーズだけが、創元の分類では本格表示も併記されていて、本格推理としても意外な真犯人が出て来ます。