『ながい眠り』 ヒラリー・ウォー 創元推理文庫
フェローズ署長シリーズ第1作。
ヒラリー・ウォーと言えば有名作はみんな警察小説だが、
このフェローズ署長シリーズだけが、
創元の分類では本格表示も併記されていて、
本格推理としても意外な真犯人が出て来ます。
普通の作家ならズッコンバッコンのセクースシーンを描く箇所でも、
情事の終った暗闇から描写始めたり、
無駄な描写の無い上品なヒラリー・ウォーはホントいい!
本作はややアンフェア感があるが、
本格推理としても絶対に真犯人は予測出来ません。
似たような題名の有名作にはグッバイして
大いなる感動を呼ぶヒラリー・ウォーを読め!
本書のベストセリフ
「シャーマンさん、見ず知らずの男についていくというのは、
ひじょうに愚かな行為です。
それは自覚していただきたい。
しかし、少なくとも鍵のかかった部屋に興味を示さないだけの賢さを
備えていてくださってよかった。
その部屋にあったのは、大事な書類などではない。
別の女性の死体だったんです。
あなたが疑いを抱いて穿鑿を始めていたら、
彼はためらうことなくあなたを殺していたと思いますよ」
軟派されホイホイと男についていく馬鹿女は
殺されても自業自得だと言うような、
この古き良き時代の倫理観がたまりませんわ。
- 作者: ヒラリー・ウォー,法村里絵
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/01/31
- メディア: 文庫
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