『ブラックスワン』 山田正紀 ハルキ文庫

アリバイが無い事だけでは、起訴されることはない。

ヘタなアリバイ工作は墓穴を掘る行為。

凝ったアリバイ工作は、全体の整合性を整えるのが難しく、

これも破綻する可能性が高い。

現実の犯人はアリバイ工作なんかしないが、

推理小説ではパズルとしてアリバイ工作をする。

本書はもっともリアルなアリバイ工作もののミステリである。
考え尽くしたアリバイを綿密に思考して破るという普通のパターンではない。

何故アリバイ工作をする必要があったのか?

という心理トリックものである。

小ネタは、すれた読者なら90%トリックを見破ることは出来るが、

メイントリックは絶対看破出来ないだろう。

だってアンフェアなんだもんw

アホサー・クルッテリータイプの怒り狂うミステリである。

これよりは『蜃気楼・13の殺人』 の方が巧いよな。

クルッテリータイプと書いたが、厳密に言うとビル・S・バリンジャータイプである。

ビル・S・バリンジャーのファンの方は必読。

金保証システムは採用してないがなw

ブラックスワン (ハルキ文庫)

ブラックスワン (ハルキ文庫)