『逃切』 ディーン・R・クーンツ  菊池光 訳  創元推理文庫

やべっ!競馬ミステリの本家、

ディック・フランシス の『興奮』 の4倍面白い!

小説は工夫を凝らしたプロットと、キャラ立ちが要だと再認識しました。

センチュリ・オークスに200万ドル以上の金が集まる土曜日に向けて、

強盗団、詐欺師、放火魔、競馬必勝法を見つけたギャンブラーたちの野望が錯綜する。

守り手の支配人や、競馬業界私設警察も目を光らす。

複数対複数の戦いに勝利するのは誰だ!?

クーンツは必ず愛と正義が勝つというパターンだが、

強盗団のボスが主人公なので、

結末がどうなるか全く予測出来ません。
ホラー作家としてはネタ被りクーンツだが、

唯一の競馬ミステリとして、考え付く競馬ネタを全てぶちこんだ傑作。

このレベルの競馬ミステリを量産出来ていたら、

競馬ミステリの第一人者は、ディック・フランシス ではなくて、

クーンツになっていたと思う。

逃切 (創元推理文庫)

逃切 (創元推理文庫)