2011-07-17から1日間の記事一覧

『行きずりの街』 志水辰夫 新潮文庫

私は初物作家を読む時に、その作家の最低作を引いてしまうジンクスがあるんだが、またやってもうた感じ。ハードボイルドと流布されるが、これは悪漢小説だよね。高校生以下の処女が大好きな強姦魔が主人公である。もちろん本人には強姦魔の意識は無い。常識…

『ライトニング』 ディーン・R・クーンツ 文春文庫

ナチスドイツが出てくる時間SFとしても、ジェイムズ・P・ホーガン の「プロテウス・オペレーション 」 より出来がいい。なんでこのネタをSF作家は考え付かなかったのだ!という時間SFの常識を覆す凄いアイデアが爆裂します。

『白の協奏曲(コンチェルト)』 山田正紀  双葉社

表の顔はオーケストラ、裏の顔は詐欺師集団が謎の女に唆され、史上最大のハイジャック事件を起こす!ジャックするのは東京、人質は東京都民一千万人!恫喝の道具は、ナチスが開発した秘密潜水艦。東京湾から隅田川を遡上し、ミサイル(サブロック)で皇居の隣…

『風雲の出帆―海の覇者トマス・キッド〈1〉』 ジュリアン・ストックウィン 早川文庫NV

『男は旗』 を掲げ、大海原に旅立つべきざんす。というわけで、18世紀の帆船に乗りたい人はこれを読め。『秋の星々の都 [永遠の戦士フォン・ベック②]』 と同じ時代である。メジャーな事件で言えばバウンティ号の叛乱から四年後が舞台。

『戦慄のシャドウファイア』 ディーン・R・クーンツ 扶桑社ミステリー文庫

20Pで悪役が交通事故で死亡!でも死体は消える!!不死身の敵キタ━━(゚∀゚)━━!! !『ミスター・マーダー』 の10倍面白い。テンポの良さはクー様 No.1だろう。上下巻一気読み出来ます。

『昭和陸海軍の失敗―彼らはなぜ国家を破滅の淵に追いやったのか』 半藤一利 文春新書

半藤一利 の他の本とネタ被りが多すぎるが、座談会の出席者が自分の博覧強記振りを披露しようと、ネタになってる人物のエピソードを捲し立てるが、そのボケに対する戸部良一 のツッコミが素晴しい!

『魔岩伝説』 荒山徹

本書は中国5000年の謎も絡む、壮大なスケールの伝奇である。このネタに気付いたのは荒山徹だけであろう。

『ドラゴン・ティアーズ』 ディーン・クーンツ 新潮文庫

本書のベストセリフ「たしか作者はフランシスコ・デ・ゴヤ ――初等美術観賞の授業でいまも記憶にのこっているのは、それだけだった。見る者の心胆を寒からしめ、見る者の神経をすり減らし、恐怖と絶望の感覚を味わわせる絵だ。そのいちばんの理由は、頭部をう…

『デッド・ゾーン』 スティーヴン・キング 新潮文庫

クー様 の積読が無くなったので、キング初挑戦。並以上だとは思うが、地味過ぎると言うか、真面目過ぎるというか、面白いストーリーより、悲劇の人間描写に力入れ過ぎで、どうなるどうするというワクワク感が足りないのが、いまいち。

『丸かじりドン・キホーテ』 中丸明 新潮文庫

『ドン・キホーテ』のダイジェスト訳とスペインの時代背景の解説とセルバンテスの伝記で構成されたお値打ちな本。『ドン・キホーテ』なんて古臭い滑稽文学だと思っていたが、メタ・フィクションの要素もある近代文学の開祖だったのである。