『魔岩伝説』 荒山徹

本書は中国5000年の謎も絡む、

壮大なスケールの伝奇である。

このネタに気付いたのは荒山徹だけであろう。
荒山徹というと、日本史を朝鮮史で再定義するのが持ち味だが、

日本史に興味があるのは日本人だけ、

朝鮮史に興味があるのは朝鮮人だけで、

世界に羽ばたく一冊としてはマイナーネタに過ぎると過小評価していたが、

本作は中国史も絡むので、

朝鮮なんて所詮中国のエピゴーネンでしょ？

という人も楽しめると思います。

日本史オタクなら誰でも考え付く、

徳川幕府が200年の平和を築けたのは何故か？

という疑問に、朝鮮と中国も絡め壮大な答えを提示してます。

剣法や忍術や妖術等の細かいネタは、

山風どころか白土三平よりもテキトーだが、

デティールにこだわる時代伝奇ではなくて、

歴史の謎を解く壮大な歴史伝奇である。

腐女子受けするネタもあるので、

ヤオイスキーの皆さんにも強くお勧めします。

魔岩伝説 (祥伝社文庫)