『昭和陸海軍の失敗―彼らはなぜ国家を破滅の淵に追いやったのか』 半藤一利 文春新書
半藤一利 の他の本とネタ被りが多すぎるが、
座談会の出席者が自分の博覧強記振りを披露しようと、
ネタになってる人物のエピソードを捲し立てるが、
そのボケに対する戸部良一 のツッコミが素晴しい!
第一部 昭和の陸軍 日本型組織の失敗
座談会出席者
5 暴走する参謀コンビの無責任 服部卓四郎と辻政信
第二部 昭和の海軍 エリート集団の栄光と失墜
座談会出席者
2 人事を牛耳る皇族総長 伏見宮博恭王
3 良識派は孤立する 米内光政と井上成美
7 敵は米国よりも陸軍 貴族主義とムラの論理
個人の失敗や悪のエピソードを列挙するメンバーに、
「そうさせた組織の構造の欠点を論じるべき」
と、エピソードの羅列に水を差し、
悪で阿呆な軍人だけど家族思いの良い面もあったという発言には、
「軍人の評価に家庭内の事は関係ない」
と一刀両断!
戸部良一 先生の素晴しさが光る座談会本であった。
「失敗の本質―日本軍の組織論的研究」 を読んで、
戸部良一 先生のファンになった人は必読本である。