『白の協奏曲(コンチェルト)』 山田正紀  双葉社

表の顔はオーケストラ、裏の顔は詐欺師集団が

謎の女に唆され、史上最大のハイジャック事件を起こす!

ジャックするのは東京、人質は東京都民一千万人!

恫喝の道具は、ナチスが開発した秘密潜水艦。

東京湾から隅田川を遡上し、

ミサイル(サブロック)で皇居の隣の沼を攻撃。

爆雷が装備されていたら、国体はアボーンされる。

公安課長は、都民を避難させる作戦を発動。

どうなる東京!タイムリミットは24時間!!
謎の女の目的とは!?

という話です(実は違うw)

小松左京の「物体O」へのオマージュである。

首都消失」ではなくて「物体O」だと言うのがミソ。

普通の作家なら実は詐欺師なオーケストラの設定だけで、

シリーズ化して量産しそうだが、

天才の山田正紀にとっては、捨て石の小ネタにしか過ぎない。

皇居攻撃ネタも単なるオマケ。

テロリストと官憲の知恵比べアクションの枠をアウフヘーベンしている傑作。

天才の突き抜け過ぎている物語に、

普通の人は付いていけないかもしれない。

ラストの真相に怒る人もいそうだなw

白の協奏曲(コンチェルト)

白の協奏曲(コンチェルト)