2011-07-25から1日間の記事一覧

『バハマ・クライシス』 デズモンド・バグリィ 早川文庫NV

これはプロットもキャラ立ちも駄目。デズモンド・バグリィ は冒険小説の主人公に、銃の扱いに長けた軍人系を持ってこないのが長所かと思うが、本書の主人公はバハマのホテル王で、冒険小説というよりは、経営サスペンスw

『日曜日には鼠を殺せ』 山田正紀 祥伝社文庫

無駄な描写で水増ししないのが山田正紀 の長所だが、本作のたった160Pは短かすぎるよなw山田正紀 版「標的ナンバー10」というか「バトルランナー」というか「死のロングウォーク」というか「スティール・ポール・ラン」?逃げるのは政治犯、追うのはロボット…

『柳生大戦争』 荒山徹 講談社

タイトルは柳生一族が巻き込まれた朝鮮vs後金(清)の大戦争という意味である。最初の10Pと最後の10Pを朗読して聞かせて、同じ本だと看破出来る奴は一人もいないだろう。元寇で日本海に沈んだ朝鮮兵を弔う為に、命懸けで野蛮な敵国倭に渡ろうとする、朝鮮僧を…

『凶器の貴公子』 ボストン・テラン 文春文庫

凶器振り回す美青年のノワールかと思ったが違った。内省的なキャラ達がぶつぶつと独り言を言い、その場に居ない人間に対して議論する、地味な自分探しの物語。

『ナース』 山田正紀 ハルキ・ホラー文庫

ジャンボが山中に墜落!乗員乗客500名はゾンビと化した!男達の医師団、消防団、警官、自衛隊が逃げ出した中、七人の看護婦はゾンビに立ち向かう!天才正紀の傑作アクションホラー!!

『ダークライン』 ジョー・R・ランズデール 早川ミステリ文庫

池上冬樹はこれがランズ様の最高傑作と言っているが、私は『ボトムズ』 が最高傑作だと思う。純文学が好きな人には『ダークライン』の方が受けると思うが、『ダークライン』はミステリとしては切れ味が悪い。サスペンスアクションとしても『凍てついた七月』…

『チャイルド44』 トム・ロブ・スミス 新潮文庫

従順な愛らしい妻から脱皮してヒロイズムに酔う夫を突き放す、対等のパートナーになる妻との関係がいい!ジェンダー観も素晴しい大傑作!

『風水火那子の冒険』 山田正紀 光文社文庫

・「サマータイム」 ・「麺とスープと殺人と」 ・「ハブ」 ・「極東メリー」の四編が収録された中編集。基本的には安楽椅子探偵だが、爆弾椅子探偵となる「ハブ」と、メリーセレスト号の謎を解く「極東メリー」がデラ面白い。「麺とスープと殺人と」もユーモ…

『飛ぶ教室』 エーリッヒ・ケストナー 光文社古典新訳文庫

生きるのに役立つ名セリフ満載の本だが、小説としては書き込みが浅くてタルイよな。小学生の男子に読ませるなら有効だが、おっさんが今頃これを読んで感動していては恥ずかしいよな。「金持ちであることと有能であることは別問題」等の良識ある大人には当た…

『OUT』 桐野夏生 講談社文庫

年収200万以下のパートのおばちゃんが、金ピカのロレックスをひけらかし、ベンツ乗り回すヤクザを退治してしまう痛快なノワール。魅力的なおばちゃんや婆さん描かしたら、桐野夏生 は世界一ですな。沈着冷静冷酷非情のヒロインの雅子様(43歳)に燃え萌えです…