『飛ぶ教室』 エーリッヒ・ケストナー 光文社古典新訳文庫

生きるのに役立つ名セリフ満載の本だが、

小説としては書き込みが浅くてタルイよな。

小学生の男子に読ませるなら有効だが、

おっさんが今頃これを読んで感動していては恥ずかしいよな。

「金持ちであることと有能であることは別問題」等の

良識ある大人には当たり前のことばかり書かれています。
国を滅ぼしても自分の利益しか考えない

政治家や官僚に読ませるべきテキストか?

でも、全体主義や資本主義に汚染された現代には、

もう、この本の持つ力はほとんどないと思うよ。

ウーリの命を賭けた勇気の提示も、

今の子供たちには、

「馬鹿じゃん!」とか「つまんないあてつけしやがって!」

と思われて、ウーリへのイジメはなくならないと思いますw

イジメ対策はやはり谷沢永一 先生のおっしゃるように、

「いじめっこの太腿をナイフでブスッと刺す」

のが有効だと思います。

戦えないのなら逃げるのみ。

学校の中で飛び降りても問題は解決しないと思いますよ。

男は勇気が無ければいけないという、

古臭いジェンダー観は乗り越えてない古い作品である。

良作ではあるが、古典として闇に消えていてもよかったと思う。

他校との喧嘩とか、貧乏な生徒の問題の解決も、

ご都合主義すぎないか?

教師のポケットマネーで解決するには、

現代の貧困格差はありすぎるであろう。

というか、いい先生ばかりでムカつきました。

自分を犠牲にして子供を救う先生なんて、

現代ではほんと御伽噺だよね。

子供を素晴しい人間に成長させるために読ませる価値はあるが、

子供を救う力はこの本にはあんまり残ってないと思う。

子供を救うのは夜回り先生に任せて、

子供が嫌いな私は面白い本を読んで自分を救うことに専念しますw

飛ぶ教室 (21世紀版・少年少女世界文学館 第15巻)

飛ぶ教室 (21世紀版・少年少女世界文学館 第15巻)