『バハマ・クライシス』 デズモンド・バグリィ 早川文庫NV

これはプロットもキャラ立ちも駄目。

デズモンド・バグリィ は冒険小説の主人公に、

銃の扱いに長けた軍人系を持ってこないのが長所かと思うが、

本書の主人公はバハマのホテル王で、

冒険小説というよりは、経営サスペンスw
主人公の妻と娘が乗ったヨットが行方不明になり、

娘の遺体のみが漂着する。

普通なら犯人探しに奔走するもんだが、

妻と娘を失い失意の主人公に同情する女性と、主人公は再婚、

犯人探しはどうでもよくなるw

経営するホテルに伝染病が発生したり、

暴動が発生したりと、

バハマでホテルを経営するクライシスを描いた小説である。

アクションシーンはほとんどありません。

サスペンスとしてもタイムスパンが長すぎてダレる。

最初の犯人の謎は途中で決着が付くが、

新たな黒幕との戦いもダレる。

ストーリーとキャラに一本芯が通ってないフラフラした小説。

人種差別するアメリカ人、

身分差別するイギリス人、

思想差別する共産主義者等のテーマを訴えるのに、

本書の書き方は失敗してるよな。

後期のデズモンド・バグリィ は読まなくていい感じである。

バハマ・クライシス (ハヤカワ文庫NV)

バハマ・クライシス (ハヤカワ文庫NV)