『競売ナンバー49の叫び』 トマス・ピンチョン ちくま文庫

本書のベストセリフ
「ぼくの大きな過ちは愛というものだった。きょうこの日からぼくは愛に近づかないことを誓う。異性愛、同性愛、両性愛、愛犬、愛猫、愛車、あらゆる種類の愛に近づかない。孤立する者の協会を設立してこの目的に奉仕する」

などのような反体制組織が潜むアメリカの狂気を女探偵が捜査するミステリ純文学。
謎は全て明確にはなりません。主人公にも精神疾患の疑惑があります(笑)
レメディオス・バロの絵「呪文」にインスパイヤされて書かれたらしい。
バロ展に迷い込んだ主人公が「大地のマントを刺繍する」の前で号泣する素晴しいジェンダーもの。

「遭遇」も登場します。
実はゴルディウスネタも埋まっており、
この小説は私の為に書かれたと叫びたくなります。

小説なんて読みたくないのに、ピンチョンがこんなに自分にシンクロしていたとは困る。

マクスウェルの悪魔等の科学ネタもあるし、
ホモネタもあるし、
ピンチョンは他も読むぞ!

「塔に向かう」

「大地のマントを刺繍する」

「逃走」

「遭遇(出会い)」

競売ナンバー49の叫び (ちくま文庫)

競売ナンバー49の叫び (ちくま文庫)