『ゲイトウエイ』 フレデリック・ポール 矢野 徹 訳 ハヤカワ

ゲイトウエイとは、太陽系に残されていた宇宙人の遺産。

水星軌道より内側を巡っていた宇宙ステーション。

そこには千隻もの恒星間宇宙船があったのだ!

自動航法プログラムがあり、5つの座標をセットすれば、

勝手にそこへ飛んでいきまた戻ってくるのだ。

太陽系政府はゲイトウェイ公社を設立し、調査員を募集した。

調査員になれる条件は唯一つ、25万$を支払う事!

貴重なものを発見し生還できれば、公社は何千万$もの報奨金を与えてくれるのだ。

我らの主人公、鉱夫のロビネットも宝くじで25万$を当て、ゲイトウエイに赴いた。

傑作である。SFであり小説であり文学である。

太宰治が完全なタコに思えてくる。
精神病院に通院し、精神分析コンピュータと対話しながら、

ビネットが過去のトラウマを暴かれるという構成で物語りは語られる。

罪悪感がどーのこーのという話が好きな人には涙なくして読めないであろう。

スペオペフアンは血湧き肉踊らされ、ユーモアが好きな人はウフフと笑い続け、

社会派の人はフムフムと考え込んでしまい、ハードマニアはその手があったか!

と叫んでしまう事は間違いない。

誰が読んでも面白い作品である。

惜しむらくは反戦してないことである。

ただし、戦闘シーンもないが…。

ゲイトウエイ (ハヤカワ文庫SF)

ゲイトウエイ (ハヤカワ文庫SF)