『マン・プラス』 フレデリック・ポール 矢野徹 訳 早川文庫

安価の旧式量産タイプだったポールが、

高価な最新型プロトタイプに変貌し、νポールと呼ばれるようになった傑作。

サイボーグSFの最高傑作である。
火星の厳しい環境で生きる事の出来るサイボーグを開発するハードSF。

人間を超える者、マン・プラス…。

だが、火星に適応する機能を追加する過程で、

人間としての標準装備はマイナスされ続けていく。

暖かい血の通った人間とは思えない奇怪な風貌に改造されていく主人公。

サイボーグ開発団体やサイボーグへ開発されていく過程はリアルだが、

読者は読み続けているうちに違和感を感じるだろう。

でも、それもポールの計算の内、

ラストで読者の疑問が見事に解決する落ちが待ち構えています。

今となってはソウヤークラスでも同じようなことをやってるが、

当時の衝撃は凄かった。

サイボーグSFとしてハードだが、

その裏に潜む+αがより一層凄かった傑作。

マン・プラス (ハヤカワ文庫SF)

マン・プラス (ハヤカワ文庫SF)