『三国志』 横山光輝 潮出版社

今は亡き月刊朝日が三国志の特集を組んだ時、日本語で読める書籍は200種類

以上あると詳細なリストを載せていたが、

その小説や研究書や漫画のすべて200種類の中で、ベストを選べば

私にとってはやっぱり横山先生の三国志がベスト1である。

吉川英治版が原作であるが、

五丈原で終わらずに、蜀の滅亡と劉禅の嘘泣きまでしっかり描写されている。
曹操は悪役だが、吉川版よりこっちの方がかっこ良く感じる。

私の一番好きなキャラの楊脩徳祖は脇役顔の小太りのおっさん顔で残念だが、

楊脩徳祖にこだわる人は私ぐらいだろうから、気にしないで下さい。

三国志と言っても、孔明の死で終わるのが多すぎるので、この作品の質と量は最高である。

黄夫人のエピソードをカットしてるのは凄い!

三国志は女性キャラが少なすぎるので、

ふざけた日本人作家の小説では男性キャラを無理矢理女性キャラにしたのもあるが、

三国志の本質はラブコメではないのだから、

横山先生の本質を見抜く目の素晴らしさがよく判るであろう。

三国志は売れるからと安易にふざけた三国志物を書く日本の小説家どもには、

開いた口が塞がらない。ちゃんと蜀滅亡まで書けよ、この根性なしどもめ!

三国志 1 (潮漫画文庫)

三国志 1 (潮漫画文庫)