2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『パラサイト・イヴ』 瀬名秀明 角川ホラー文庫

和製クーンツ と北上おじは認定したが、クーンツ より下品。理系の薀蓄が無ければ化物が少女を犯そうとするベタな話である。内臓フェチにはリアルな腎移植シーンや肝細胞増殖シーンに萌えるのだろうが、内臓属性も美少女属性も無い私には今一でした。麻理子…

『妖虫戦線〈2〉妖虫、めざめる』 山田正紀 中央公論社C・NOVELS

電脳世界で金融取引を進化圧として誕生した電子妖虫の、現実世界への侵略はエスカレート!全長2mクラスに加え、全長7mクラスも実体化!しかもこいつはイモムシ、幼虫である。成虫になるとどれだけ巨大化するのか?荒山徹 のモスラ>とクーンツ のゴジラ>でも…

『鉄塔 武蔵野線』 銀林みのる ソフトバンク文庫

ファンタジーと言うより児童文学の雰囲気だが、難しい漢字けっこう使っているので、漢字萌えの大人でも充分楽しめます。カキ氷よりエロ本より美少女より、鉄塔調査を優先する素晴しい少年冒険物語。

『ユダヤ警官同盟』 マイケル・シェイボン 新潮文庫

本書のベストセリフ「学校で習う他のどんなものよりも、物理法則ほど理にかなうものはない」 理科萌えの主人公の刑事の生き方に感動汁!愛国心に結びつく国語も社会も学問としては二流ざんす。純文学でもあるのでストーリーテリングはヘタクソだが、作者がい…

『創造士・俎凄一郎 第1部 ゴースト』 山田正紀 講談社ノベルス

幽霊の語りで始まるのでホラーでしか有得ないと思うと、SFかと思わせ、ラストは見事な本格ミステリ解決と思わせて?語り手の探偵も犯人も被害者も消滅?ジャンルの壁も消滅する映像化不可能な天才正紀ワールドに呆然とせよ!主人公の挫折と再生の物語など…

『川は静かに流れ』 ジョン・ハート 早川ミステリ文庫

文学寄りだが、一応意外な真犯人ということで及第点は付けられる。もうちょっとテンポが速いと更に良かった。年間ベスト1クラスではないだろうw原発問題を含む社会派なのは良いが、ジェンダー観がやや古いのはマイナス。苦悩する金持ち青年の物語としては、…

『忍法さだめうつし』 荒山徹

「以蒙攻倭(イモンコンウエ)」 「忍法さだめうつし」 「怪異高麗亀趺」 「対島はおれのもの」忍法さだまさしと言うギャグを期待したが、それは無かったが、ガンダムネタとガメラネタが出て来たのは良かった。1275年から1450年までの朝鮮史が語られます。四…

『妖虫戦線〈1〉バビロン・プロジェクト』 山田正紀 中央公論社C・NOVEL

超絶の経済ホラーファンタジーSF。デリヴァティブ(金融派生商品)の舞台となる仮想空間を飛び交う電子マネーを人類の共通言語と解釈した神は、バベルの塔をバラルしたように、デリヴァティブをウィルス化し、人類への粛清を開始した!コンピュータモニターか…

『虎の首』 ポール・アルテ 早川ポケミス

ツイスト博士シリーズ6作目。偶然の要素が入ったのは惜しいが、密室トリックと凶器の謎が見事に融合している物理トリックはエレガントで好みでした。

『孟嘗君と戦国時代』 宮城谷昌光 中公新書

史書を鵜呑みにするのではなく、どこまで参考にするかという宮城谷氏の史観に萌え。

『おとり捜査官 4 嗅覚』 山田正紀 朝日文庫

リカちゃん人形連続殺人事件w。犯人がリカちゃん人形を偏愛しているサイコパスなので、事件の真相は誰にも推理出来まい。

『魔剣天翔』 森博嗣 講談社文庫

Vシリーズ5作目。空中密室ネタはエドワード・D・ホック にもあるが、それよりは捻られているが、トリックは短編でもいいような小粒なネタに思えるが、理系ミステリとして解析学の逆解析ネタがあったのは良かった。理系の美学論としても楽しめるかもしれな…

『赤髯王の呪い』 ポール・アルテ 早川ポケミス

ツイスト博士シリーズ13作目。幻の第1作、55部の私家版「赤髯王の呪い」と短編3編を収録したもの。「赤髯王の呪い」は150Pだが、6件も密室殺人事件が出てくる!全部違うトリックにするにはページが足りないせいか、最初の4件はアイザック・アシモフ の短編の…

『篠婆 骨の街の殺人』 山田正紀 講談社ノベルス

探偵チームにテレポーターとサイコファイヤーがいる謎が解決してない。正紀はトラベルミステリだと主張しているが、伝奇SFの可能性も残っている。

『二壜の調味料』 ロード・ダンセイニ 早川ポケミス

ダンセイニだからもっとファンタシィ系ホラー系の話があるかと期待したが、ほとんどが真っ当なミステリで期待外れでした。トリックのネタが古過ぎて脱力します。

『魔空の迷宮』 山田正紀 中公文庫

異常な事をしたヒトラーは実は正常人だったという謎をメインにした方が良かったと思う。

『十年目の対決』 ヒラリー・ウォー 勁文社文庫

敵がお馬鹿過ぎると言うか、偶然の要素が多すぎると言うか、プロットがこなれてない。

『林達夫芸術論集』 高橋英夫 編 講談社文芸文庫

本書のベストセリフ「政治くらい、人の善意を翻弄し、実践的勇気を悪用するものはない。真のデモクラシーとは、この政治のメカニズムから来る必然悪に対する人民の警戒と抑制とを意味するが、眉唾ものの政治的スローガンに手もなくころりとだまされるところ…

『SAKURA―六方面喪失課』 山田正紀 徳間ノベルズ

正紀版「ワイルド7」 。ではメンバーの特技を紹介しよう。1アニメ 2ブルセラ 3セミ取り 4パチンコ 5電話無視 6足蹴 7無銭飲食(ちょっと違うw)。自転車泥棒やパンティ泥棒を追いかけると、何故か迷宮入りの殺人事件が解決していく話と思わせて、ラストは綾瀬…

『狂人の部屋』 ポール・アルテ 早川ポケミス

ツイスト博士シリーズ4作目。ミステリに出て来る超能力者は手品のトリックを利用している詐欺師でしか有得ないが、本書の能力者は本人がマジに自分を能力者と信じているのが捻りが効いていて良い。

『孔雀王』 山田正紀

遺伝子融合怪物(鉱物生物まで有り)が跋扈する32世紀の未来に時間移動したタフガイの物語。

『夢・出逢い・魔性』 森博嗣 講談社文庫

Vシリーズ4作目。本書のベストセリフ「テレビとか新聞とか、マスゴミって、本当に歴史が浅いわけ。今はまだ、たまたま勝ち取った自由に酔っている。意志や価値観まで量産できると思い込んでしまって、知らず知らずに、それを押し売りしてしまう。酔っ払い…

『氷雨』 山田正紀 ハルキ文庫

ただのサスペンスと言いながらちゃんとミステリしてる正紀は偉い!刑事課も交通課も生活安全課も警務課も腐敗している所轄署の陰謀に立ち向かう男が主人公。ホームレスややくざを味方にする過程が素晴しい!

『最後のプルチネッラ』 小島てるみ 富士見書房

本書のベストセリフ「父上が出るドラマは、どれもこれも似たような話らしいですね。不倫と裏切りと不治の病と生き別れの親子の再会」 父も母も俳優の演劇の貴公子の少年が幻の芝居「最後のプルチネッラ」のオーディションに挑む!ライバルは片親の貧乏な少年…

『マヂック・オペラ --二・二六殺人事件』 山田正紀 早川

探偵役(小林少年役)は築地警察署で小林多喜二を拷問して殺した特高刑事!?江戸川乱歩と面会した事もある本物の怪人二十面相は、日本の黒幕に操られ暗躍する。黙忌一郎(明智小五郎)は芸者殺人事件を解決する事が、日本を救う事になると小林少年に捜査させる…

『カーテンの陰の死』 ポール・アルテ 早川ポケミス

ツイスト博士シリーズ3作目。山田正紀の世界最小の密室ネタにはもちろん負けているが、玄関の扉とカーテンに仕切られたシンプル密室ものとして傑作。物理トリック仕込むスペースがほとんどないので、トリックの単純さにあっと驚く人もいるかもしれない。

『月は幽咽のデバイス』 森博嗣 講談社文庫

Vシリーズ3作目。メインの物理トリックはよくあるやつだが、デフォルトとか10より12の方がキリの良い数字とかいう小ネタが理系作家らしくて素晴しい。

『オフェーリアの物語』 山田正紀 理論社

異世界ファンタジーミステリ時代小説という凄い話。現実世界は明治時代だが、タイムトラベルして江戸時代の殺人事件も人形探偵(!)が解決します。

『夜更けのエントロピー』 ダン・シモンズ 河出書房新社

①「黄泉の川が逆流する」 ②「ベトナムランド優待券」 ③「ドラキュラの子供たち」 ④「夜更けのエントロピー」 ⑤「ケリー・ダールを探して」 ⑥「最後のクラス写真」 ⑦「バンコクに死す」③は『夜の子供たち』 の原型の短編で、④と⑦は『愛死』 に収録されている…

『人形式モナリザ』 森博嗣 講談社文庫

シリーズものの安定感が不安感に摩り替わり、とてつもない期待感に昇華する世界一のミステリシリーズ。シリーズものでなければならない必然性が素晴しい!この1作に限って言うなら、物理トリックと心理トリックの融合性にやや不満。これでも充分傑作だが、…