『林達夫芸術論集』 高橋英夫 編 講談社文芸文庫
本書のベストセリフ
「政治くらい、人の善意を翻弄し、実践的勇気を悪用するものはない。
真のデモクラシーとは、この政治のメカニズムから来る必然悪に対する
人民の警戒と抑制とを意味するが、
眉唾ものの政治的スローガンに手もなくころりとだまされるところに
どうでも人が頼らねばならぬ政治のおぞましい陥穽があるともいえよう」
芸術以外に文芸も哲学も歴史も教育も語学も園芸も政治もネタにしてます。
収録作は以下の通り。
①思想の文学的形態
②デカルトのポリティーク
③思想の運命
④歌舞伎劇に関するある考察
⑤一高時代の友だち
⑥フランス語事始め
⑦『タイス』の饗宴
⑧『思想』の思い出
⑨作庭記
⑩私の家
⑪父と子との対話
⑫歴史の暮方
⑬新しき幕明き
⑭三木清の思い出
⑮いわゆる剽窃
⑯再生芸術家は必要
⑰上品な笑い 健康な笑い
⑱ヴォルテール『哲学書簡』あとがき
⑲編集長という椅子
⑳精神史
21遊戯神通の芸術
「林達夫セレクション〈1〉反語的精神」 に③⑨⑩⑪⑬
『林達夫セレクション(2)文芸復興』 に④⑤⑦⑧⑲21
『林達夫セレクション(3)精神史』 に①⑫⑭⑰⑱⑳
「林達夫評論集」 に②
「思想の運命」 に⑮が収録されているので、
⑥と⑯の2編だけに俺は1500円も払ったのかw
セレクション全部読んでる人は買わなくてよい。
林達夫 を読んだ事が無い人は必読。
なんで今年にこの本が出たかを邪推すると、
そして今年は1Q84とかいう小説が大ヒット!
オーウェルネタに留まらず、林達夫 を思い出せ!ということだと思う。
まあ1Q84はどうでもいいが、
林達夫 の私の一番のお勧めは実は『思想のドラマトゥルギー』 です。
- 作者: 林達夫,高橋英夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/06/10
- メディア: 文庫
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