ダン・シモンズ

『ヘリックスの孤児』 ダン・シモンズ 早川文庫SF

現代SFなのでジェンダー観が素晴らしい作品が目立つ(山岳SFでは人間の女より宇宙人の登山家にシンクロするが、これも実はジェンダーネタ埋まってる)、表題作は「宇宙の孤児」+「太陽系最後の日」/2*7って感じ?救出チームのメンバーは女性が大活躍!さ…

『夜更けのエントロピー』 ダン・シモンズ 河出書房新社

①「黄泉の川が逆流する」 ②「ベトナムランド優待券」 ③「ドラキュラの子供たち」 ④「夜更けのエントロピー」 ⑤「ケリー・ダールを探して」 ⑥「最後のクラス写真」 ⑦「バンコクに死す」③は『夜の子供たち』 の原型の短編で、④と⑦は『愛死』 に収録されている…

『愛死』 ダン・シモンズ  角川文庫

本書のベストセリフロバート・ハーンズ「地球上の生命はすべて 偶発的に生まれたものだということがわかっている。 人間もまた偶然の存在だ。 だが、人が互いに愛し合うのは偶然ではない。」 ①「真夜中のエントロピー・ベッド」 ②「バンコクに死す」 ③「歯の…

『夜の子供たち』 ダン・シモンズ 角川文庫

本書のベストセリフマイクル・オルーク「ぼくは誰も殺すつもりはない。 世界でいちばんたいせつな人を救うためでも。 きみの命を守るためでもだよ、ケイト」 愛する者を守る為にジャンジャン人殺しをしましょう!という小説が溢れている中、さすが、シモンズ…

『うつろな男』 ダン・シモンズ 扶桑社

SFホラーサスペンスアクションサイコスリラー文学?ジャンルボーダーレスのシモ公にしか書けない作品だとは思うが、欲張りすぎて感動のパワーポイントを外しすぎた感じ。

『鋼』 ダン・シモンズ 早川

女を殺された私立探偵が免許を失うのも構わず復讐の殺人鬼になるというよくあるパターン。

『雪嵐』 ダン・シモンズ 早川

しまった!読まなくていいジョー・クルツシリーズだった!!これはハードボイルドメソッド使用なのでリーダビリティは良いが、敵が連続美少女拉致強姦殺人犯というステロタイプで萎える。

『重力から逃れて』 ダン・シモンズ 早川ノヴェルズ

本書のベストセリフ「ふたりの白人学生が納税者たちの金で、宇宙でお遊びしているうちに、黒人の赤ん坊たちはスラム街でネズミに噛まれて死んでいるのです」

『エンディミオンの覚醒』 ダン・シモンズ  ハヤカワ

ハイペリオンシリーズ4作目にして完結編となる大傑作。宗教・哲学・思想SFの最高傑作。宇宙征服を目指す悪の組織がカトリック教会なので、主人公達は仏教徒の組織を味方に付けるが、敵との宗教問答の果てに、キリスト教も仏教も乗り越えた、普遍的真理に…

『エンディミオン』 ダン・シモンズ  ハヤカワ

ハイペリオンシリーズ3作目。時を越えてやってくる、ジョン・キーツの娘を守ることを、1作目の主人公の一人に託されたロール・エンディミオンが主人公。冒険小説のメソッドしか使ってないので、前2作に比べると格段に読みやすい。

『ハイペリオンの没落』 ダン・シモンズ ハヤカワ

詩人ジョン・キーツのサイバークローンを主人公にしたどっしりとした大作で、ストーリーが散漫しないので、焦点が絞られて、没頭出来る。ラストの方の小松左京や光瀬龍ぽい高次元の宗教がかった存在との対話は、これぞSFやねと感動した。

『ハイペリオン』 ダン・シモンズ ハヤカワ

SFというジャンルそのものを一冊の本に凝縮したメタ文学として絶賛されたが、 毛色の違う七つの中篇(長編と言ってもいいが)のオムニバス大作というだけで、 SFの全てをぶち込むというのは、ローダンシリーズがやっているのに、 なんでこうまで絶賛された…