『夜の子供たち』 ダン・シモンズ 角川文庫
本書のベストセリフ
マイクル・オルーク「ぼくは誰も殺すつもりはない。
世界でいちばんたいせつな人を救うためでも。
きみの命を守るためでもだよ、ケイト」
愛する者を守る為にジャンジャン人殺しをしましょう!
という小説が溢れている中、さすが、シモンズである。
敵は吸血鬼なので、殺人ではない、
化け物退治だと主張することも可能だが、
生き血を吸うから化け物なのではない。
生命体を無惨に殺せる存在が化け物であるというテーマが素晴しい。
ヒーローが殺生しないので、
ホラーアクションとして制限がついて、
単純なカタルシスは得られないが、
それでももちろん、残酷な吸血鬼どもは、
ラストでほぼ全滅します。
誰がどうやって吸血鬼退治するかはネタバレになるので書けない。
途中のストーリーの紆余屈折は退屈だが、
ラストは捻りが効いていていい。
「私を守る為に戦って!」
などと言う女は化け物扱いするのが知的な男である。
理由があれば殺生出来る存在は、
もともと、殺生が好きな存在だよね。
- 作者: ダンシモンズ,Dan Simmons,布施由紀子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1995/05
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