2011-08-05から1日間の記事一覧

『夢・出逢い・魔性』 森博嗣 講談社文庫

Vシリーズ4作目。本書のベストセリフ「テレビとか新聞とか、マスゴミって、本当に歴史が浅いわけ。今はまだ、たまたま勝ち取った自由に酔っている。意志や価値観まで量産できると思い込んでしまって、知らず知らずに、それを押し売りしてしまう。酔っ払い…

『氷雨』 山田正紀 ハルキ文庫

ただのサスペンスと言いながらちゃんとミステリしてる正紀は偉い!刑事課も交通課も生活安全課も警務課も腐敗している所轄署の陰謀に立ち向かう男が主人公。ホームレスややくざを味方にする過程が素晴しい!

『最後のプルチネッラ』 小島てるみ 富士見書房

本書のベストセリフ「父上が出るドラマは、どれもこれも似たような話らしいですね。不倫と裏切りと不治の病と生き別れの親子の再会」 父も母も俳優の演劇の貴公子の少年が幻の芝居「最後のプルチネッラ」のオーディションに挑む!ライバルは片親の貧乏な少年…

『マヂック・オペラ --二・二六殺人事件』 山田正紀 早川

探偵役(小林少年役)は築地警察署で小林多喜二を拷問して殺した特高刑事!?江戸川乱歩と面会した事もある本物の怪人二十面相は、日本の黒幕に操られ暗躍する。黙忌一郎(明智小五郎)は芸者殺人事件を解決する事が、日本を救う事になると小林少年に捜査させる…

『カーテンの陰の死』 ポール・アルテ 早川ポケミス

ツイスト博士シリーズ3作目。山田正紀の世界最小の密室ネタにはもちろん負けているが、玄関の扉とカーテンに仕切られたシンプル密室ものとして傑作。物理トリック仕込むスペースがほとんどないので、トリックの単純さにあっと驚く人もいるかもしれない。

『月は幽咽のデバイス』 森博嗣 講談社文庫

Vシリーズ3作目。メインの物理トリックはよくあるやつだが、デフォルトとか10より12の方がキリの良い数字とかいう小ネタが理系作家らしくて素晴しい。

『オフェーリアの物語』 山田正紀 理論社

異世界ファンタジーミステリ時代小説という凄い話。現実世界は明治時代だが、タイムトラベルして江戸時代の殺人事件も人形探偵(!)が解決します。

『夜更けのエントロピー』 ダン・シモンズ 河出書房新社

①「黄泉の川が逆流する」 ②「ベトナムランド優待券」 ③「ドラキュラの子供たち」 ④「夜更けのエントロピー」 ⑤「ケリー・ダールを探して」 ⑥「最後のクラス写真」 ⑦「バンコクに死す」③は『夜の子供たち』 の原型の短編で、④と⑦は『愛死』 に収録されている…

『人形式モナリザ』 森博嗣 講談社文庫

シリーズものの安定感が不安感に摩り替わり、とてつもない期待感に昇華する世界一のミステリシリーズ。シリーズものでなければならない必然性が素晴しい!この1作に限って言うなら、物理トリックと心理トリックの融合性にやや不満。これでも充分傑作だが、…

『おとり捜査官 3 聴覚』 山田正紀 朝日文庫

シリーズのど真ん中で「カーテン」ネタ炸裂!ここでやったら最終巻をどうするのか!?超絶の新展開!!小ネタの物理トリックも現代的な魅力的なネタ満載!世界最小の密室殺人事件のネタはこれを超える作品は現れないだろうな。